2011年(平成23年) 3月20日(日)付紙面より
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鶴岡市の致道博物館で、早春を感じさせる東洋蘭展が開かれている。関係者は「厳しい冬を耐えて花を咲かせたものばかり。東日本大震災で気持ちが暗くなる中、心を癒やしてくれる」と話している。
鶴岡東洋蘭愛好会(会長・酒井忠久致道博物館長)と酒田市の里仁館芳蘭会(会長・植松芳平里仁館長)、致道博物館の共催。旧庄内藩主酒井家の歴代藩主が東洋蘭を愛好してきたこともあり、酒井家第17代の故・忠明さんに株分けしてもらった下妻卓雄さん(酒田市在住)が芳蘭会で講師を務める縁で、同博物館を会場に開催し今年で6回目。愛好会が日本春蘭を中心に約40点、芳蘭会が中国春蘭の鉢植え約80点の合わせて約120点を出品した。
一見、同じように見える花々だが、日本春蘭は気品漂う白や朱金色の小さな花を咲かせる一方、中国春蘭は葉も花も翡翠(ひすい)色で香気を放つのが特長。会場にはランを題材にした掛け軸も展示され、中国古典にも登場するという奥深い花の世界を紹介している。出品した両会の関係者は「気持ちがふさぐ中で、早春をめでるランの楽しみを伝えたい」と話している。
見学には致道博物館の入館料が必要。展示は21日まで。