2011年(平成23年) 6月29日(水)付紙面より
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鶴岡市の加茂小学校(升川繁敏校長)で27日、山口県の伝統芸・周防(すおう)猿回しをする「猿舞座(さるまいざ)」(村崎修二座長)=山口県岩国市=の公演が行われ、児童たちが日本古来の大道芸を楽しんだ。
猿回し芸能は差別されていた部落の伝統芸能だったため、1960年代に一時途絶えたが、村崎さんや民俗学者の宮本常一氏らにより、80年代に復活。村崎さんが周防猿回しの会での活動を経て81年に猿舞座を設立し、全国各地で公演を続けている。サルを服従させて調教する一般的な猿回しとは違い、信頼関係を築いて芸を教える「本仕込み」が特徴。
今月18日からスタートした地域公演の一環で加茂地区を訪れた。公演は加茂小とコミセンの2カ所で実施。このうち、加茂小では体育館を会場に行われ、村崎さんや座員で息子の耕平さんら3人が訪れ、全校児童や地域住民ら約100人が見学。村崎さんが打ち鳴らす触れ太鼓に続いて、耕平さんに連れられて雄ザルの夏水君が登場すると会場は大歓声。はじめに耕平さんが「夏水君は京都の嵐山出身のお猿さん。歳は7歳で人間の年齢では30歳で一番やんちゃな時期」などと自己紹介。続いて、夏水君と耕平さんが息を合わせて、木登りや輪くぐり、両手をつかんでグルグル回す「風車」などの芸を披露するたびに「すごい、すごい」と大きな拍手が送られていた。
猿回しを初めて見たという6年生の田澤未来さん(11)は「目の前で芸を見るとうれしい気持ちになる。教えてもらったことがしっかりできて、すごく賢いと思った」と話していた。