2011年(平成23年) 8月28日(日)付紙面より
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鶴岡市羽黒町の出羽三山神社の山伏修行「秋の峰」が26日、羽黒山などを舞台に始まった。北海道から福岡県まで男性158人が参加し、「擬死再生」の荒行に挑んでいる。
同神社の山伏修行は、出羽三山の開祖・蜂子皇子による羽黒山古修験道を受け継ぐとされ、四季ごとの大きな修行のうち、秋の峰は一般に開放している最大のもの。今年は外国人を含む19歳から79歳までが入峰(にゅうぶ)した。
初日の26日は正午すぎ、門前町の手向地区の下宿(明光院)を出発。ほら貝を鳴らしながら列になって宿坊街を進み、途中の薬師神社では大先達の緒方久信宮司が、背負った笈(おい)に新しい生命を宿すとされる「梵天投じ」の儀式を行った。
随神門から石段を登り、山頂へ。この行列は葬式を模しているとされ、山中を流れる祓川に架かる赤い欄干の神橋では、人形(ひとがた)の紙に息を吹き掛け川に流し、穢(けが)れをはらった。
一行はこの日から9月1日まで7日間にわたり、羽黒山中腹の峰中堂(ぶちゅうどう)に寝泊まりしながら、月山山頂や秘所・東普陀落(ひがしふだらく)などを巡る山駆け、トウガラシをいぶした煙の中に居続ける「南蛮いぶし」、断食などの行に励む。