2011年(平成23年) 10月23日(日)付紙面より
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首都圏などからの旅行者に食の都をアピールする「鶴岡にぎわい市」が22日、鶴岡市の鶴岡公園疎林広場で開かれ、市民も参加して旬の味覚や庄内・鶴岡ならではの食材、食文化、伝統芸能を堪能した。23日も開かれ、2日間で首都圏や仙台圏から約300人のツアー客が訪れる。
JR東日本と大手旅行代理店のクラブツーリズム、鶴岡市などが連携した共同誘客イベントで、2009年から毎年開催しており、今回が3回目。疎林広場には約30張りのテントが設けられ、地元の22業者・団体が出展した。
22日午前中は曇り空となったものの、芋煮やガサエビ汁、イカ飯、弁慶飯、庄内柿やブドウ、リンゴの果物、つや姫の米粉を使ったパン、地酒や月山ワイン、漬物などの販売に大勢の旅行者や市民が繰り出した。
特設ステージでは出羽三山山伏による東日本大震災復興祈願、櫛引地域の天狗(てんぐ)舞と獅子舞の伝統芸能や念珠関辨天(べんてん)太鼓の披露もあり、鶴岡の文化も紹介した。
千葉県市川市からツアーに参加した60代の女性は「地元ならでは、ここでしか味わえない食べ物が多く、来て良かった。地元の人とも触れ合えるにぎわい市の雰囲気がとてもいい。獅子舞を見て、子供のころを懐かしく思い出した」と話した。
鶴岡市によると、ツアー客は昨年の3分の1ほどという。蔵王や鳴子の紅葉と庄内観光を組み合わせた1泊2日の商品を企画した旅行代理店の担当者は「福島の原発事故の影響もあるのではないか」と話していた。
2011年(平成23年) 10月23日(日)付紙面より
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東日本大震災で被災した宮城県石巻市の水産加工会社を支援しようと、鶴岡市の羽黒高校(牧静雄校長)の生徒たちが22日、同校で開催された学園祭の会場で、被災した工場に残っていた缶詰やかつお節などを販売した。学校行事で販売支援するのは県内で初めて。
同校では、原発事故で避難している福島県の生徒を受け入れているほか、今年7月には同校バレーボール部とソフトボール部が宮城県気仙沼市の小学校を訪問して、スポーツ交流を図るボランティアを行うなど、被災地支援に積極的に取り組んでいる。
今回の被災工場の製品の販売は、教育プログラムの制作会社・FCエデュケーション(東京都)が全国の学校に呼び掛けている「希望の環(わ)」プロジェクトの一環で、少しでも被災地復興の力になればと同校も参加することにした。
学園祭で販売したのは、津波被害で甚大な被害を受けた「木ノ屋石巻水産」のクジラやサケ、サンマの缶詰、100年の歴史がある「丸平かつおぶし」のかつお節、「高砂長寿味噌本舗」のみそなど5種類、計272点。価格は1点400―600円で、計約12万円の売り上げを目標にし、輸送費を除いた全額を被災地の企業に贈る。
同校正面玄関に販売ブースが設けられ、同校2年のバレーボール部とソフトボール部の生徒たち約30人が交代で販売スタッフを務めた。午前10時に開店すると、大勢の人が訪れ2点、3点と缶詰などを買い求めていた。
販売スタッフとして参加した堀美彩さん(16)は「被災地の力になれるよう全部販売できるように頑張りたい」と話した。