2011年(平成23年) 12月2日(金)付紙面より
ツイート
酒田市の泉小学校(大川英一校長)の5年生80人が1日、自ら栽培してきた紅花を使って染めを体験した。同市出身で現在、山形大大学院地域教育文化研究科修士課程1年で学んでいる竹越友美さん(23)の指導で、児童たちは白い毛糸や羊毛を次々と鮮やかな色合いに。今後、これらを使用しマフラーやハンカチなどを制作、来年1月に同市中心部で開かれる日本海寒鱈まつりで販売する予定。
庄内地域でも食用の紅花が栽培されているということを知り5年生は今年、同校で進めているキャリア教育の一環で、紅花の栽培から染め、制作、販売までを一貫して体験することにした。
東北芸術工科大の学生時代、紅花染について学んできた竹越さんを外部講師として招き、学校近くの畑約4アールを借り受けて児童たちは今年4月、種をまいた。その後、観察活動をしながら、竹越さんの指導で栽培を継続し、同7月に花を摘んだ。乾燥させたところ、約500グラムの紅餅になったという。
この日は、児童たちが6班に分かれ、それぞれ作業。あらかじめ竹越さんが調合していた紅花液が入ったプラスチック製たらいに毛糸や羊毛、木綿を浸した。しばらくたつと、繊維は淡いピンク色や黄色に。児童たちはきれいに仕上がるように繊維をぐるぐると回し続けていた。
鈴木佑誠君(10)と小松遥斗君(11)は「一番大変だったのは、花の収穫作業。とても痛かった。それでもこんなにきれいな色になったので、苦労してきて良かった」と笑顔で話していた。
大塚教諭によると、児童たちは今後、染めた繊維を使ってマフラーを編んだり、フェルトのキーホルダー、ストール、ハンカチを制作。寒鱈まつりで販売し、経費を差し引いた余剰金は、東日本大震災の被災地支援に向けた義援金や、クラスで必要な物の購入費に充当するという。