2011年(平成23年) 2月10日(木)付紙面より
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酒田市の天真学園高校(齋藤正典校長)の調理科3年生が調理した料理を集めた卒業作品展が8、9の両日、同校で開かれ、生徒や保護者らが1点1点の出来栄えに見入った。
同校調理科では、1年次に西洋料理、2年次に中華料理、3年次に日本料理をそれぞれ学んでいる。この作品展は、3年間にわたって学んできた調理技術の発表の場として、同校が毎年この時期に開催している。
今年は、同科3年生26人が7日午後から調理に取り掛かり、8日午前に完成させた作品1点ずつを出展。日本料理と西洋料理各11点、中華料理4点が並んだ。
会場となった同校職員室前廊下は華やいだ雰囲気。皿に「Graduation(卒業)」の文字を抹茶パウダーできれいにかたどったり、見栄えがよくなるよう緑や赤といった明るい色の食材を使うなど、若い感性で創造した料理作品が並んだ。1、2年生は来年以降の参考にしようと、気に入った料理を見つけては携帯電話で写真に収めていた。
作品展を担当した同校の佐藤祥子教諭は「学校での調理実習はグループ単位だが、作品展はすべてを一人でやるため、料理に対する責任感が生まれたと思う。力不足の面はあるが、自分なりに精いっぱいやったという満足感に満ちているのでは」と話していた。
2011年(平成23年) 2月10日(木)付紙面より
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鶴岡市のかまぼこ、練り物製造・販売の「竜泉・滝川」(滝川義朗社長)が、県などが出資する産業応援基金を活用し、庄内浜の地魚を原料にした練り物製品の開発に取り組んでいる。幅広い年代をターゲットにする一方で、高齢者向け食品など従来とは別の視点から、かまぼこの将来性を模索している。
同社は、添加物や保存料を使わず、「安全・安心な商品」にもこだわる。イカやだだちゃ豆といった庄内の旬の素材を積極的に取り入れている。商品開発を進める中で、庄内浜に水揚げされた地魚だけをすり身にしたかまぼこや揚げ物をメーンに据えることにした。
県産業技術振興機構が運営する「やまがた地域産業応援基金」の助成金を活用。水産学博士の阿部洋一さん(元近畿大非常勤講師、網走市在住)の助言を得ながら、自前のすり身の製造機械を開発し、量産も可能になった。滝川社長は「手作業よりもむらがない、高品質のすり身を作ることができる」と利点を語る。
販路の拡大にも取り組み、「孫と一緒に食べるおみやげ」をコンセプトに、庄内を訪れる団塊世代の観光客への売り込みも想定。国の農商工連携事業の認定も目指している。
一般食品以外に介護食やサプリメントを摂取する食品としてのかまぼこの可能性にも着目している。滝川社長は「そしゃく力が低下したお年寄りでも、かまぼこなら食べられるし、地元の食材を練り込むことで商品への信頼も得られる」と話す。
サプリメントの摂取に、かまぼこを活用した試作品の製造依頼も来ている。栄養士らでつくる「日本を健康にする!」研究会が20日に大阪で開催する機能性食品セミナーで、同社が製造した「還元型コエンザイムQ10」という栄養素を練り込んだかまぼこが参加者に提供される。3月16日から3日間、都内で開かれるサプリメントの展示会「東京ヘルスコレクション」にも出品を予定している。
滝川社長は「伝統食のかまぼこにも将来性があることが分かった。いろんな提案をしていきたい」と意気込んでいる。