2011年(平成23年) 2月11日(金)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館(村上龍男館長)で来館者が撮影したアザラシの写真展が開かれている。かわいらしい赤ちゃんや、気持ち良さそうにプールを泳ぐ姿などが飾られている。
4回目となる今回は、昨年9月から12月末までの期間、来館者などに呼び掛けて作品を募集。地元庄内をはじめ山形市や東根市、東京や神奈川、静岡など関東圏、新潟県から計21点の応募があった。
村上館長や同館職員が選考し「館長賞」や「副館長賞」、「飼育係賞」を決めたほか、来館者による人気投票で「お客さん賞」を決定。合わせて6点の入賞作品が決まった。
お客さん賞に選ばれた小林文さん(鶴岡市)の作品「一緒にゴローン」は、かわいい赤ちゃんと母親が一緒に横たわるほほ笑ましい写真。また、同賞の相川真智子さん(静岡県)の「温泉?」は、水面から顔だけ出して目を閉じるユニークな表情をとらえたもの。各作品には応募者のコメントが添えられている。
来館した家族連れなどが「赤ちゃん、かわいいね」と言葉を交わしながら各作品をじっくり観賞していた。夏ごろまで展示する予定。
お客さん賞以外の入賞者は次の通り。
▽館長賞=「どんなもんだい!」小田一人(栃木県)▽副館長賞=「ママの笑顔!?」佐藤奈美(酒田市)▽飼育係賞=「羊の皮をかぶったアザラシ」山口めぐみ(神奈川県)、「これからどんな楽しいことがあるのかな」蒲沢仁(新潟県)
2011年(平成23年) 2月11日(金)付紙面より
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東北公益文科大で「公益社会演習」を学ぶ学生たちが9日、庄内町余目の余目駅前公民館で現地報告会を行った。学生たちが同町のJR余目駅前など中心商店街の現状や課題をまとめるとともに、空き店舗の利活用についてさまざまなアイデアを地元住民に披露した。
公益社会演習は、同大で本年度から始まった新しい科目。学生が地域の課題に直接触れながら分析し、解決策を模索するとともに地域へ提案する。専門分野の異なる複数の教員、外部の特別講師など6人が演習を担当している。
前期は「飛島の『とび魚だしめんつゆ』の商品開発と地域活性化」などに取り組み、後期(昨年10月?)は余目駅前の商店街を対象にした「中心市街地(とし)に住む」をテーマに調査と研究を行った。学生一人一人が実際に商店街を歩き、地域住民や商店経営者などから話を聞いて商店街の現状と課題を分析するとともに、空き店舗の利活用について考案した。
この日の報告会には、演習を受講した学生6人と演習を総括している同大の温井亨准教授など担当教員、余目駅前町内会(加藤勇会長)の会員など地元住民合わせて30人余りが出席した。
はじめに学生の代表者が駅前通り、中央通り、茶屋町の各商店街の現状と課題について、「夕方など主婦層の買い物の時間帯に歩いている人の数が少ない。シャッターが閉まっている店が多いと感じた」と指摘した。
続いて空き店舗の再生案を学生5人が発表。40分の1のスケールで製作した家の模型を使い、「一人暮らし用の一軒家として賃貸物件にする」「農業者のネットワークを使い安価で新鮮な野菜を仕入れ、野菜レストランを運営する」「足湯がある和風カフェを作り高齢者の憩いの場とする」といった斬新な発想を披露した。
地元住民からは「野菜レストランは興味深い。商店街の名物として実現してほしい」「夢とロマンがある。活性化につなげてほしい」といった意見がある一方、「足湯は設備投資の面で難しいのでは」「車で来る人のため駐車場を確保する手段を考えなければ」といった指摘もあった。
同大2年の工藤哲仁さん(19)=酒田市=は「商店街を歩いている人が少ないからこそ、人と人のつながりを生み出す憩いの場が必要ではないかと感じた。今後、地元の皆さんの意見や要望にも応えていきたい」、温井准教授は「時間が少ない中で学生たちはよく頑張ってくれた。今回、自由に発想してもらうため金銭面の話はカットしたが、今後は空き店舗改装工事の金額や収益を踏まえた事業計画立案なども進めていく。商店街にとって何らかの刺激となれば」と話していた。
翌10日は酒田市の同大キャンパスで前期・後期の演習について総合的な成果を発表、報告する合同報告会が開かれた。