2012年(平成24年) 1月17日(火)付紙面より
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庄内町千河原の八幡神社で15日、伝統行事の「やや祭り」が行われた。上半身裸の男の子たちが吹雪に負けず冷水を浴び、無病息災や身体堅固を願った。
やや祭りは、安産の神様を祭る同神社の歳越祭の異称。弥生時代に在位した第15代応神天皇の皇子・大山守命(おおやまもりのみこと)が跡継ぎの争いで悪臣に追われ、千河原の妊婦にかくまってもらった際に「私は死んでも神となっておまえたちの身を守る。難産のときは私の名前を唱えよ」と言い残した伝説が祭りの起源とされる。また、祭りの名前の由来は、若者が手にしたわらで互いにたたき合った風習の掛け声が「ヤー、ヤー」だったという説や、子供を示す京都訛(やや)りの「やや」が元というものなど諸説ある。
祭りの主役は地元の男の子たち。今回は小学4年から中学3年まで男子6人が参加した。午後1時すぎ、天候が荒れだして猛吹雪となった。大勢のアマチュアカメラマンや見物客、家族が見守る中、「けんだい」と呼ばれる腰みの、さらしを身に着け、頭に白い鉢巻きを締めた姿の子供たちが並んだ。
1人ずつ両手にろうそくを持ち、神社社務所前に設置された特設舞台に上がると、白装束の大人がおけでくんだ冷水が勢いよく浴びせられた。身を切るような冷たさに、子供たちは頬や背中を真っ赤にしながらも歯を食いしばって耐えていた。その後、集落内を練り歩き同神社に参拝した。
引き続き、「お百度参り」が行われ、地元の男子高校生3人が神社の鳥居の下で冷水を浴びた後、約20メートル離れた拝殿を参拝。これを何度も繰り返し、大願成就を願った。