2012年(平成24年) 1月25日(水)付紙面より
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新酒の搾り始めを知らせる「酒林」作りが鶴岡市の出羽商工会大山支所で行われている。杉の枝葉で作った緑の杉玉12個を製作しており、全て完成するころに酒どころの大山地区は「大山新酒・酒蔵まつり」(来月11日)に向けて祭りムードが高まる。
酒林は杉の枝を集め、丸い形に仕上げるもので「杉玉」とも呼ばれる。各蔵元の軒先につるし「今年も寒仕込みのうまい新酒ができた」と地域住民に知らせる意味があるという。大山地区は毎年2月の新酒・酒蔵まつりの前に、製作実行委員会(小野寺光廣会長)のメンバーが大小さまざまな大きさの酒林を作り、まつりをPRしている。
今年は小野寺会長をはじめメンバー5人が製作を担当。例年、地区内の公園から杉の枝葉を集めてくるが、「今年は大雪でままならず、民家や市内の別地域で枝葉を調達した」(小野寺会長)という。軽トラック2台分の枝葉がようやく集まり、前年より4日遅れて今月17日に製作を開始した。
24日はメンバー4人が製作に当たり、酒林の核となる金属製の「かご」に次々と杉の枝を差し、剪定(せんてい)ばさみで形を整える作業を進めた。大きさは直径30センチほどの小さいものから最大直径1・1メートル。重いものは70キロ前後になる。大きさによっては一日がかりの作業になるという。今月26日まで計12個を作り上げ、来月3日には各蔵元や大山コミュニティセンターなどに飾り付ける予定。小野寺会長は「下から見上げられるものなので、下部は特に丁寧に仕上げている。気を抜けない作業」と話していた。
「大山新酒・酒蔵まつり」は来月11日、大山地区で行われる。地元の4蔵元とイベントを開催する3カ所を訪ね歩いて新酒の飲み比べを楽しむスタンプラリー、地酒を使ったオリジナルカクテルコーナー(大山コミセン)、新酒パーティー(いこいの村庄内、送迎バスあり)などが予定されている。