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2012年(平成24年) 1月31日(火)付紙面より

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厳かに大寒能 酒田市松山地域観客180人を魅了

 「雪の能」として親しまれている「まつやま大寒能」が28日、酒田市松山文化伝承館で行われた。松山地域の演能団体「松諷(しょうふう)社」が「松山能」(県指定無形民俗文化財)のうち「屋島」を厳かに上演。市内外から訪れた約180人の観客を魅了した。

 松山能は江戸勤番の松山藩士が習得。明治維新後は松諷社に受け継がれ、現在まで続いている。大寒能は寒さが最も厳しいこの時期に行われ今年で21回目。6月の「花の能」(羽州庄内薪能)、8月の「月の能」とともに、3定期公演の一つになっている。

 「屋島」は平家物語を題材にした修羅物(武人がシテ=主人公=になる演目)の名作で、作者は世阿弥。旅の僧が讃岐の国・屋島の浦で老いた漁師に出会う。漁師は、この地でかつて源平が戦った様子を事細かく語り、自身が義経の幽霊であることをほのめかして消える。やがて、僧の夢の中に甲冑姿の義経の幽霊が出現。合戦が忘れられないと妄執を述べ、戦いを思い出して修羅の苦しみを舞い、やがて消えうせるという物語。

 この日は最高気温が氷点下1・3度までしか上がらない真冬日。「大寒能」にふさわしい天候になった。午後1時半、狂言「末広がり」で開演。同館内に特設した能舞台で繰り広げられる大果報者と太郎冠者らの楽しい掛け合いに、会場から笑いが起こった。

 続いて屋島を上演。後場で義経の幽霊が、扇や太刀を手に舞う場面がクライマックスで、舞台がすぐそばのため迫力満点。館内をびっしり埋めた観客らは、固唾(かたず)をのんで見入っていた。

 終演後は、会場を松山農村環境改善センターに移して「雪見の宴」。納豆汁を味わいながら演能者らと観客が交流した。

義経の幽霊が修羅の苦しみを舞い「屋島」が最高潮を迎えた
義経の幽霊が修羅の苦しみを舞い「屋島」が最高潮を迎えた



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