2012年(平成24年) 5月3日(木)付紙面より
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酒田市市条の八幡神社で1日、古くから伝わる神事「流鏑馬(やぶさめ)」が行われた。馬上から放たれた矢が的を射ると、行楽客らは拍手を送り古式ゆかしい祭りを堪能していた。
同神社は平安時代前期の877(元慶元)年の建立。流鏑馬は天正年間(1573年―92年)に記された「出羽国一之宮両所山縁起」に記載されているなど、その歴史は古く、毎年5月1日に行われる同神社の「神幸祭(みゆきさい)」の中で、その年の稲の作柄を占う神事として伝わっている。ここ数年は、寒河江市の「寒河江八幡宮流鏑馬保存会」の会員が射手を務めている。
神社でおはらいを受けた射手は、神馬にまたがり近くの荒瀬川左岸に設けられた的場に向かい、約10メートル離れた5つの的を目掛け矢を放った。
この日は午前中から気温が上昇し、汗ばむ陽気。中腹までまだ白い鳥海山を遠く望み、荒瀬川では風を含んだこいのぼりが大きく舞う中、土手には大勢のアマチュア写真家や行楽客が訪れ、矢が的を射抜くたびに大きな拍手を送っていた。