2012年(平成24年) 6月30日(土)付紙面より
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文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定された鶴岡南高校(田中芳昭校長)で28日、1年生がさまざまな分野の職業人から話を聞く社会人講話が行われた。SSHで取り組む「アカデミックインターンシップ」の一環で、10月には実際に企業を訪れ、職場体験する。
SSHの指定は本年度から5年間で、▽科学リテラシーの醸成と研究連携▽理数才能の伸長と視野の拡大▽新しいキャリア教育―など5本柱で取り組みを進める。アカデミックインターンシップは、新しいキャリア教育の中に位置付け、大学などに進学後、地元に戻って就職し地域に貢献できる人材の育成を目指す進路研修として企画した。現在の1年生が、SSHの1期生となる。
医療や工学、農学、公務員、教職、金融、報道、法律など多様な分野の計12講座を設け、1年生全201人が好きな分野を選択。講師は同校ОBらそれぞれの分野に携わる地元の社会人が務めた。
病院勤務の内科医が講師となった講座は男女18人が受講した。「医学部進学は全国の受験生との勝負。1年時から受験勉強を始めてほしい。自分は部活動をしながら平日5時間、休日は10時間勉強した。進学後も、医者となってからも勉強は続くが、医師は人を助けることのできる、とてもやりがいのある職業」といった話に、熱心に聞き入っていた。
10月には農業、先端技術、観光などの職場で職業体験を積み、2年生となる来年度は、将来の職業を意識して進学先を考えるゼミ形式の授業を行う計画。担当の蛸井朗教諭は「大学進学後に地元に戻らない生徒が多い。将来の仕事先として地元を意識してもらうための取り組みを、こうした形で進めたい」と話した。