2012年(平成24年) 11月15日(木)付紙面より
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世界のギャルに会いたいと、今年3月末から約7カ月間にわたり単身で世界一周の旅に出掛けていた鶴岡市の女性がいる。元ギャル服店長の後藤佳世さん(26)=同市民田=で、このほど帰国した後藤さんは本紙に対し、「世界の若者はみんな夢や目標を持っている。日本の若者も夢を持ち、どんどん外に出ていって」と訴えた。
後藤さんは1986年生まれ。黄金小、鶴岡三中から鶴岡中央高総合学科に進学。卒業後はアルバイトでお金を貯め、ワーキングホリデー制度を使ってカナダのバンクーバーに行き、1年間働きながら英語を身に付けた。08年に帰国後は今春まで4年間、鶴岡市内の大型複合店舗内のギャル服店に勤務していた。
「世界一周ギャル旅」に出ようと思ったのは昨年1月ごろ、NHKの「東京カワイイTV」を見て、「外国人がギャルをやっていることに衝撃を受けたから」という。すぐにインターネットで交流を広げるフェイスブックに登録。今春まで約1年間、世界中のギャル約1000人とネット上の「友達」になって、「今度行くからね」などと当たりをつけながら、世界一周旅行の計画を練り上げていった。
今年3月下旬に台湾に渡り、その後、中国、韓国、ベトナム、タイとアジアを回り、スウェーデン、英国、フランス、スペイン、イタリアと欧州を経て、米国、カナダ、オーストラリアからシンガポール、マレーシアと再びアジアを回り、先月17日に帰国。15カ国の18都市に滞在し、ギャル100人以上と出会ったという。宿泊は安いホステルなどを使い、費用は航空券代を含め約150万円で済んだ。
各国のギャルとは「プリクラや買い物、食事、ガールズトークなど、ギャルっぽいことをして楽しんだ。トークは万国共通で恋愛話が中心」という。「アジアでは警戒感が強く反応が鈍いときもあったが、ギャルメークをしてあげたりして打ち解けた。欧米では『何、その旅。面白い』など多くのギャルが強い関心を示した。同じ米国でもニューヨークは自己主張が強く、ロサンゼルスはグループで穏やかに情報交換する感じ」とお国柄や土地柄の違いも感じたという。
また、「特にアジアでは、携帯電話やファッション、音楽で韓国製の人気が高まっている。クオリティー(質)は日本の方が高いのに、日本は宣伝下手で損していると感じ、悔しかった」という。
若者については「日本は恵まれ過ぎている。アジアでは、多くのギャルが英語や日本語など外国語を普通にしゃべるので、『すごい』と言うと、逆に『日本では英語ができなくても仕事があるのか』と言われた」という。
そして、「世界ではみんな『将来、自分はこういう仕事に就きたい』と夢や目標を持っているが、日本の若者はそうではない。夢を持ち、どんどん外に出てほしい。そうすることで、故郷や日本を客観的に見つめ直し、良さも見えてくる。私自身、庄内が大好きになり、日本のすごさを感じ、日本人であることを誇りに思うようになった」という。
外に出ていくためには「コミュニケーションの道具として英語を学んでほしい。自己表現するプレゼンテーション能力も大事。人生一度きり。目標を持たずにだらだらと過ごすのは時間もお金ももったいない」とする。
後藤さんは間もなく横浜市に転居予定。自身の夢については、ギャルとして自己表現を続けるとともに、「将来は日本のコスメ(化粧品)やファッションを外国に売るような仕事をしたいので、その準備をしていく」という。後藤さんの活動は来月1日放送の「東京カワイイTV」で取り上げられる予定という。