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荘内日報ニュース


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2012年(平成24年) 6月12日(火)付紙面より

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雨の砂浜 力強く 湯野浜海岸でノルディックウオーク

 「国際ノルディックウオークin湯野浜」が9、10の両日、鶴岡市の湯野浜海岸などで行われた。県内外から大勢のウオーキング愛好者たちが参加し、ストックを使ったノルディックウオークを楽しんだ。

 ノルディックウオークは両手にスキーストックを持って歩くもので、通常のウオーキングに比べ運動効果が4―5割アップするという。発祥はフィンランドやノルウェーなどの北欧諸国とされる。

 湯野浜大会は、湯野浜温泉観光協会が中心となって実行委員会を組織し、1999年に国内初のノルディックウオーク大会として開催。翌年から毎年この時期に開催し、今回で14回目を迎えた。

 初日の9日は庄内地方をはじめ、東北や関東地方から約400人が参加。湯野浜海岸をスタート・ゴールに北に向かい、酒田市浜中の海岸付近で折り返す10キロ、庄内空港手前で戻る5キロの2コースに分かれて行われた。

 開会行事に続いて午後2時半に10キロ、15分後に5キロの順でスタート。時折、強い風雨となるあいにくの天候の中、雨具を身に着けた参加者たちは潮風を全身に浴びながら一歩一歩力強く歩を進めていた。

 2日目の10日は、同市羽黒町手向の羽黒山を舞台に4キロコースで行われた。

湯野浜海岸でノルディックウオークに取り組む参加者たち=9日
湯野浜海岸でノルディックウオークに取り組む参加者たち=9日


2012年(平成24年) 6月12日(火)付紙面より

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光陵高生徒ら講師に科学教室

 酒田市名誉市民の中村恒也さん(長野県諏訪市)の寄付金を基に、同市が創設した「中村ものづくり基金」を活用した「ものづくり科学教室」が10日、同市の県立酒田光陵高校(中山英行校長)で開かれた。同校工業科の生徒らの指導で、市内の小・中学生がオルゴールやモーターカーなどを製作、「ものづくり」の楽しさを学んだ。

 同市では、クオーツ腕時計の開発に世界で初めて成功しセイコーグループの礎を築いた中村さんの功績を末永く顕彰しようと、2004年に寄付金で同基金を創設。市教委は「中村ものづくり実行委員会」(事務局・市教委学校教育課)を組織、2005年から同科学教室とともに、児童・生徒がアイデア機器を製作する「おもしろ科学ものづくり塾」、講師を市内の各校に派遣する出前講座を展開している。

 科学教室は今年で6回目。工業系の部活動に所属している生徒36人、教諭8人が講師となり、市内の小・中学生101人が参加した。いずれも同校の「持ち味」を生かしたメニューで、機械技術班が低融合金を使用したペンダント作り、電子機械技術班が「モーター組み立てキット」作り、エネルギー技術班が電子オルゴール作り、化学技術班が風力モーターカー作りをそれぞれ指導。小・中学生は興味のある教室に参加した。

 風力モーターカー作りは26人が受講。高校生のお兄さんたちの指導で、小・中学生はポリスチレンボードをはさみなどで切り取って車体、タイヤにした後、プロペラを取り付けたモーターをバランスよく配置させて完成。早速広い廊下で走らせ、「速い」「うまくタイヤが回らない」などと歓声を上げていた。

 石川翼久教育長は「明日の酒田、日本を築いていくのは子供たち。ものづくりに興味を持ってもらい、チャレンジしていくことを学んでもらえたら」と話していた。

酒田光陵高の生徒たちの指導で、ものづくりに励む参加者
酒田光陵高の生徒たちの指導で、ものづくりに励む参加者


2012年(平成24年) 6月12日(火)付紙面より

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森の時間53 ―山形大学農学部からみなさんへ―

森を創るという仕事 ―木材の生産効率の表現法―  平  智

 森はいったい何のために、誰のためにあるのでしょうか。

 地球規模で起こりつつある行き過ぎた温暖化が心配されるなか、激しすぎる気象変動が私たちの日常生活を脅かすことが多くなってきました。そのような状況のもと、森林の果たす役割の大切さが再認識されています。

 森の木々たちは、温暖化の主な原因とされる大気中の二酸化炭素を積極的に吸収して固定してくれます。そればかりか、私たち動物が生きるのに必要な酸素も供給してくれるのですから、何よりもかけがえのない存在です。

 ですから、私たちは、家を建てるのに必要な木材を生産するためだけに木を植えるのではなくて、多種多様な生きものたちが暮らす地球の環境を保全するためにも、森を創る、いや、森が育つのを手助けする責務があるといえるでしょう。

 昨秋、「森の旅」で訪れたシュヴァルツヴァルト(黒い森)の中のとある集落の中庭で、とてもユニークなディスプレーを見かけました(写真)。50?60センチ角で、長さが7?8メートルの木材。一見ベンチのようにも見えますが、そうではありません。2011年が「国際森林年」であったことを意識して行った展示だそうです。

 正面にドイツ語で何か書かれています。日本語に訳すと、「私たちの町(村)の森では、このサイズ(体積)の木材を生産するのに2・6時間かかります」。

 …一瞬、このサイズの木材を切り出して製材するのに2・6時間かかるという意味なのかなと思いましたが、そうではありませんでした。この森で実際に、この体積の木材が育つのに2・6時間必要であるということだそうです。

 自分たちの市町村が所有する森林の木材生産の能力をこんな形で説明したり、実感したりすることが日本ではあるでしょうか。少なくとも私にはすごく新鮮で印象的な表現法に思えました。

 建坪がなん坪の木造建築の家を一軒建てるのにこのくらいの量の木材が必要です、という計算をすることはあるでしょう。でも、ドイツ流のこのような木材生産効率の表現法を使えば、人ひとりが一生を過ごすために必要な酸素の消費量を保障するための木材の量や、それをその地域の森で生産するのに要する時間などを実感することができるでしょう。

 さらに、自分たちが暮らす地域の森によって、人が生きるのに必要な酸素を自給自足するとすれば、何人くらいの人を養うことができるのかを知ることができます。

 私たちが暮らす鶴岡の森は、果たしてどのくらいの効率で木材を創り、何人養える力を持っているのでしょうか。

 今年も10月下旬にドイツの森歩きを楽しむ9日間(シュヴァルツヴァルト=黒い森=の森歩きとドイツ最高峰)に出かける予定です。

(山形大学農学部教授、専門は園芸学および人間・植物関係学)

ヴァンデルンク(森歩き)コースの途中で見かけた生産効率を表現する木材のディスプレー(2011年10月25日筆者撮影)
ヴァンデルンク(森歩き)コースの途中で見かけた生産効率を表現する木材のディスプレー(2011年10月25日筆者撮影)



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