2013年(平成25年) 2月17日(日)付紙面より
ツイート
東北公益文科大(町田睿学長)の「地域・大学協働人材育成プログラム」成果報告会が15日、酒田市の同学で開かれ、事例報告とパネルディスカッションを通して今後の就業体験(インターンシップ)の在り方や人材育成教育の課題などを考えた。
公益大では、地域の企業や団体の協力を得て学生の現場実習を指導し、社会から求められる技能の取得を目指す同プログラム(ワーキンググループ座長・上野隆一ウエノ社長)を実施。本年度は、社長の「かばん持ち」を通じて経営者の職業観や人生観を学ぶ「社長インターンシップ」を12人が体験したほか95人が企業で就業体験し、26人が医療・福祉機関で社会福祉士実習を行った。
この日の報告会には学生や企業などのインターンシップ受け入れ担当者ら約40人が参加。初めに学生4人が実習先での事例を発表した。
続いて、公益大理事で後援会長を務める上野氏を座長に「地域と大学との協働による人材教育のあり方」をテーマにパネル討議。就業体験した学生からは、「アルバイトと社会に出て働くことは全く違うものだと教えられた」「相手が誰であろうと、自信を持ってしっかりと話すことが大事と分かった」「焦ると自分本位になってしまうことを学んだ」「自分に足りないものが理解できた」などの感想が出た。
受け入れ側は「一人一人で目的意識が違った。とても前向きな学生もいれば『取りあえず単位になるから』という人もいた。どちらでもいいのだと思う。どんどん来てほしい」、社会福祉士実習の担当者は「もっと素直になってほしい。疑問が生じたら変な遠慮はしないで、すぐに聞く態度が必要」などと指摘。
同プログラムの担当教員からは「インターンシップを1年生の後期からスタートし最大4回、体験できるようにしたい。そうすれば、より現状に即したものになる」「今後もしっかりとしたテーマの下にプログラムを組んでいく」「皮膚感覚で得られるのがインターンシップの成果。これからは他の科目との連携をしっかり取って進めたい」などの考えを示した。
最後に上野氏が講評。「インターンシップの目的は、自分は何をしたいのか、そのためにはどうするかという『自分のカリキュラム』をつくること。企業側が道筋をつくってあげる場合が多いが、それがそもそも間違い」「就業体験先として庄内は、100人以上もの学生を受け入れる企業がある恵まれた地域」「社会人としての力を備えた学生をつくるという方向に大学全体で行くよう、理事会でも訴えていく」と話した。