2013年(平成25年) 5月9日(木)付紙面より
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来月に鶴岡市の鶴岡アートフォーラムで「心のふる里人形展」を開く北海道東川町の人形作家、宮竹眞澄さん(63)が7日、鶴岡市の荘内日報本社を訪れ、展示への意気込みを語った。
宮竹さんは大分県宇佐市出身。1980年ごろから独学で人形作りを始めた。当初は洋風だったが、神奈川県茅ケ崎市から北海道に移住して以来、日本の昭和の風景や、農村でたくましく生きる女性など、情感あふれる作品を制作。石塑(せきそ)粘土だけを使い、布などは一切使っていないが、柔らかい質感と繊細な表情を出すのが特徴だ。鶴岡では、全国の個展をプロデュースしている夫の博信さんが藤沢周平のファンという縁で、2011年7月に初めて開き、今回が2年ぶり2回目。6月5―16日に、70作品の約220体を展示する予定。全国での個展としては通算47回目となる。
この日、眞澄さんは博信さんと共に、「時間ですよ」と題する3体の人形を伴って本社を訪問。行商の女性たちが仕事に向かおうとするはつらつとした表情に、ほほ笑ましく見入ってしまう作品で、眞澄さんは「この作品に限らず、元気に働ける喜び、ありがたさ、たくましさみたいなものを表現したいと思っている。それぞれの親の姿と重ね合わせ、『昔はモノはなかったが、心は豊かだった。豊かさはモノではない』といった感想もよく聞く。人形を見て、温かい気持ちになってもらえたら」と話した。