2013年(平成25年) 8月27日(火)付紙面より
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東日本大震災の風化防止などを目的にした、酒田市の中平田コミュニティ振興会(高橋耕輝会長)主催の「サマーキャンドルナイト中平田」が24日夜、統合により今春、138年の歴史に終止符を打った旧中平田小学校跡地で行われた。紙コップを使って市民が手作りした約1000個のキャンドルに火をともしたほか、昭和初期に建てられた洋風木造校舎が幻想的に浮かび上がり、犠牲者の冥福と被災地の一日も早い復興を祈った。
大震災から2年を迎えた今年3月11日、同市の中町モールで開催された「2年目のキャンドルナイト」を主催した同市字新屋敷の生涯学習施設「里仁館」(冨士直志館長)からキャンドルを譲り受け、同振興会が地区民が大勢集まる「納涼夏まつり」に合わせて「キャンドルリレー」という形で初めて企画した。
この日はキャンドルを旧中平田小正面玄関前に配置し、夏まつりに参加していた地区民総出で午後7時すぎ、一斉に点灯。柔らかな炎が周囲を包み、さらに「2013 中平田」の文字を浮かび上がらせた。それに加えて水銀灯が1934(昭和9)年に完成した校舎を照らし出すと、地区民は思い出が詰まった古里の学校、復興半ばの被災地に思いをはせた。
高橋会長は「小学校がなくなり、地区中心部は火が消えたような静けさ。暗さを嘆くよりも地区民、特に若い世代から中平田、そして遠く離れた被災地のことを考えるきっかけにしてもらえたら」と話していた。