2013年(平成25年) 11月27日(水)付紙面より
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県立遊佐高校(五十嵐栄一校長)の3年生64人が来月、これまで学習してきた「遊佐町の歴史」の集大成として江戸時代後期に庄内藩で起きた「三方国替え事件」を基にした創作史劇を上演する。本番に向けた練習が続く中、脚本を担当した丸岡栞さん(18)は「このような歴史が遊佐にあったということを広く知ってもらえたら」と話している。
三方国替え事件は、1840年、庄内藩酒井家第8代藩主・忠器公に幕府から突然、越後長岡への転封を命じられたことを受け、同町江地にある玉龍寺の文隣和尚(1800―63年)が「百姓といえども二君に仕えず」と農民をまとめ、転封阻止運動を起こしたもの。文隣和尚と農民は江戸に上り、幕府役人らに直訴。結果、翌41年に転封中止が決まった。
2年時に遊佐の歴史の一つとして「三方国替え事件」について学習。学びの成果として史実を基にした創作史劇の上演を決め、「ストーリーを作るのが好き」という丸岡さんが今年4月から約5カ月をかけて脚本を練った。
漫画のタイトルを模して「進撃の農民―庄内最大の事件(三方国替え)より」と名付けられた史劇は、▽転封の知らせ▽立ち上がる農民▽江戸へ▽農民の勝利―など計8つの場面で構成。3年生全員が役者の他、音響、照明、大道具など役割を分担、10月中旬から練習を開始した。11月中旬以降は衣装を着けた本格的な練習も始まり、反復しながら本番に備えている。丸岡さんは「できる限り史実に沿ってはいるが、『分かりやすく』ということを一番に考えて脚本を書いた。鑑賞者が飽きないよう随所に笑いも取り入れている。史劇を通して郷土の歴史を学んでもらえたら」と話している。
上演は、12月13日に町生涯学習センターで開催される同校の「地域公開研究発表会」の中で行われる。同校によると、発表会は午前9時半スタート、3年生の史劇は同10時50分ごろからという。入場無料。問い合わせなどは同校=電0234(72)3423=へ。