2014年(平成26年) 1月19日(日)付紙面より
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鶴岡市黒川地区で18日、王祇祭(来月1、2日)の準備作業となる「豆腐焼き」が行われた。凍(し)み豆腐料理にして祭り客に振る舞うもので、住民たちが大きないろりの周りに座り、串刺しにした豆腐をこんがりと焼き上げた。
王祇祭は、地区の鎮守・春日神社からご神体「王祇様」を上、下の各当屋に下ろし、黒川能を奉納上演する。凍み豆腐料理は各当屋で幕あいなどに振る舞うもの。大量に用意することから王祇祭は「豆腐祭り」の異名がある。
今年の当屋は上座が釼持靖一さん(79)=椿出、屋号・九郎左衛門=方、下座が小林繁治さん(82)=成沢、屋号・七郎兵衛=方。
このうち下座の小林さん方では18、19の2日間、親戚や近隣住民が集まって豆腐焼き。自宅敷地内に仮設小屋を建て、木の枠に土と豆腐のおからを詰めて土手にし、約1・6メートル×約3・6メートルのいろりを設置した。初日の18日は20人余りがいろりを囲み、串刺しにした豆腐を土手に立て焼いた。
焼き手たちは立ち上がる炎の熱気を避けるため、段ボールのお面などで顔を覆い、対面に座る人へ「こんな焼げっだ」「ここから全部いいぞ」と竹ざおで指して教え合っていた。2日間で約300キロの大豆を使い、豆腐作りに追われるという。
近くに住む60代男性は「食事は交代しながら今日明日と付きっきりで焼き続ける。やけどに気を付けないと。豆腐焼きが始まると今年も王祇祭が来たという気分になる」と話していた。
凍み豆腐は上下両座で食べ方が違い、上座は鍋で熱々に煮込んだ凍み豆腐を「二番」と呼ばれる汁につける。下座は冷たい豆腐を熱く沸騰した「二番」を薄めた汁に入れて一緒に祭り客に振る舞われる。