2014年(平成26年) 6月17日(火)付紙面より
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羽州庄内松山城薪能が14日夜、酒田市松山農村環境改善センターで上演された。当初は屋外の松山歴史公園特設舞台での上演予定だったが、あいにくの雨降りで室内での開催。それでも能楽ファンが松山地域に伝わる民俗芸能「松山能」(県指定無形民俗文化財)を堪能した。
松山能は、江戸勤番の松山藩士が観世流の能楽を習得し持ち帰ったのが起源とされ、約340年の歴史がある。明治維新以後は、地元の演能団体「松諷社(しょうふうしゃ)」(榎本和介会長)が受け継いでいる。薪能は松山能振興会(今田武会長)や松諷社などが歴史公園の竣工(しゅんこう)を記念して1982年から毎年この時期に開いている。
33回目の今年は、市内外から能楽ファンら約200人が鑑賞に訪れ、同センター内に能舞台を設置。狂言「千鳥」で幕開け。「火入れの儀」を挟み、能「大江山」が演じられた。例年とは趣を変えたものの、訪れた能楽ファンやアマチュア写真家らは、古くから伝わる松山能の持つ独特の間合いを楽しみながら盛んにシャッターを切っていた。