2014年(平成26年) 8月31日(日)付紙面より
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慶應義塾大教養研究センターの「庄内セミナー」に参加している学生らが30日、鶴岡市のいでは文化記念館を拠点に山伏修行体験を行い、滝打ちなどを通じて擬死再生の行に触れた。
セミナーは「生きることを考える―庄内に学ぶ生命」をテーマに8月28―31日の3泊4日の日程で行われ、同大の学部・大学院の学生、社会人の計30人が参加。同市大網の注連寺での即身仏拝観、旧藩校致道館での論語素読体験、対話と議論などで「生きること」への思索を深めている。
30日は、いでは文化記念館で山伏修行体験塾副塾長の勝木好峻さんから、山伏の返事の「うけたもう(分かりました)」を学んだ後、白装束に宝冠など山伏姿になり庄内町立谷沢に移動。玉川での滝打ちの行では、落ちてくる水の冷たさに声を上げ、体を震わせていたが、次第に心を静めて、じっと手を合わせ10分間ほど滝に打たれた。
法学部4年の池邉由望さんは「最初は寒いとしか考えられなかったけど、無になるということは何につながるのかということを考えながら打たれた」、法学部2年の工藤大貴さんは「滝の音しか聞こえず、無の状態になれた。でも生まれ変わるにはまだまだです」とそれぞれ感想を話した。
受講生たちは山駆け、トウガラシをいぶした煙の中に居続ける「南蛮いぶし」、再生になぞらえて火を飛び越える「出生(でなり)」なども体験した。