2014年(平成26年) 10月30日(木)付紙面より
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酒田市の南平田小学校(長南均校長、児童293人)の5年生が28日、同校で、「足踏み式脱穀機」を使った稲の脱穀を体験し、昔の人の苦労を肌で感じた。
1993年から学校裏にある土田治夫さん(53)=同市飛鳥、農業=のほ場を借り、5年生の総合学習で稲作を学んでいる一環。今月7日に自分たちで手刈りした「つや姫」を稲ぐいで天日乾燥していた。
この日は、戦前ごろまで地域で使われていたとみられる足踏み式脱穀機3台が学校に持ち込まれ、「田んぼの先生」こと土田さんらの指導で、1人2、3束ずつの脱穀に挑戦した。
初めに土田さんが「電気のなかった昔は人力で、正月ごろまでかかって脱穀していた。昔は冬も米の仕事があったということ」という歴史や脱穀機の使い方を説明。子供たちは一人ずつ両手で稲束を持ち、足踏み式のミシンをこぐ要領で、逆V字型の針金が付いたドラムを回転させた。敷いたブルーシートにバラバラと音を立てて米が落ちると、「すごい」と目を見張った。
佐々木悠心君(10)は「米がどんどん落ちるので楽しかった。ただ、ちょっと大変で、昔の人は食べる米全部をこうしていたのはすごいと思った」と話した。
脱穀した米は12月7日の感謝祭で、お世話になっている地域住民を招き、おにぎりにして会食する予定。