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2014年(平成26年) 12月5日(金)付紙面より

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背筋ピンと元気良く

 鶴岡市の大山保育園(高橋亨園長、園児223人)で3日、年長児が恒例の書道練習に取り組んだ。初めて書道に挑戦する園児も多い中、元気に「つり」と書いて指導者から大きな花丸をもらった。

 同園は情操教育の一環として2006年から毎年この時期に大山書道振興会(小林達夫会長)の協力で書道を学んでいる。今回は年長児49人が参加。指導役は小林会長、同園保育士などが担当した。

 初めに小林会長が、魚にまつわる昔話「はちとあり」を披露。「みんなが書く『つり』でどんな魚が釣れるか想像しながら書いてみよう」などと話した。道具の説明の後、いよいよ書道に入ると園児たちは背筋をピンと伸ばして正座。1枚目は大きな円を書く練習。2枚目から手本を見ながら丁寧に「つり」と書いた。小林会長から「墨をたっぷり付けて太い字を書こう」と指導を受けると、園児たちは念入りに筆に墨を付け、豪快な筆遣いで元気に書いていた。

 園児たちは計5枚練習し、最後の1枚は小林会長から「大きな魚が釣れそうな字だ」と花丸をもらった。

 練習は今月11、15、19日にも行い、最終日に清書する。作品は年末年始ごろ、大山コミュニティセンターなどで展示するという。

大山保育園の園児たちが「つり」の字を練習した
大山保育園の園児たちが「つり」の字を練習した


2014年(平成26年) 12月5日(金)付紙面より

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鶴岡の技 つなげたい  伝統工芸「竹塗り」を次代へ

 一見、ガラスと本物の竹を組み合わせたものと見まがう「竹塗りグラス」―。手掛けるのは鶴岡市大西町の漆師・鈴木勇さん(73)。鈴木さんは竹塗りグラスにも用いられる、鶴岡の伝統工芸「竹塗り」を次世代につなげようと活動を繰り広げている。

 竹塗りはホウ、ケヤキ、ヒノキなどの木に漆を立体的に盛り重ねるなどの全36工程を経て竹の節や導管を表現するもの。全国でもユニークな漆器「変わり塗り」として知られている。幕末に庄内藩の武具塗装職人だった阿部竹翁が創始した。維新後に阿部竹翁は職を失ったため、仕込みづえに施す盛り上がり塗りを考案。後に生活漆器に技術が応用されていった。1900年ごろには最盛期を迎え、パリ万博にも出品されるなど鶴岡を代表する工芸品となったが、漆の高騰やプラスチック製品の台頭などのため、その後徐々に規模が縮小していった。現在は鈴木さんのみがその技術を伝え、塗装業の傍ら主に冬期間、竹塗りに取り組む。工房で30代の弟子2人の指導にも当たっている。

 鈴木さんは15歳で阿部竹翁の直弟子・飯塚徳吉さんの工房へ飛び込んだ。「初めは『いつ辞めようか』とばかり考えていたが、修業に打ち込んでいくと次第に面白さに引かれていった。今では参考にできる面白い竹がないか常に探している」と話す。2007年には鶴岡の新しい工芸品開発を目的にした産学官民一体のプロジェクトで、漆とガラスを組み合わせた「竹塗りグラス」を生み出すなど新しい技術に対しても意欲的に取り組み、現在は竹塗りのスマートフォンカバーなども手掛けている。

 しかし、竹塗りの現状について「今は消費のスピードが速い。漆製品の良さは使えば使うほどつやが出ること。時代に合わないのかもしれない。昔は竹塗りだけで食べていくことができた時代もあったが、今は別の仕事がないと難しい。弟子たちが続けるかどうかは本人次第と考えている」と鈴木さんは話す。また、「物が売れれば産業は一人で育っていく。大量消費の一方で本物のいい物を求める人もいる。鶴岡が誇る竹塗りが廃れないでほしい」と思いを語った。

竹塗りグラス(手前)をはじめとした鈴木さんによる竹塗り
竹塗りグラス(手前)をはじめとした鈴木さんによる竹塗り

画像(JPEG)



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