2014年(平成26年) 5月8日(木)付紙面より
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遊佐町出身の歌人、故鳥海昭子さん(1929―2005年)の歌碑が同町上蕨岡の生家「山本坊」庭園内に建立され、5日に除幕式が行われた。昭子さんの弟で生家に住む鳥海朝弥さん(81)、長男の中込祐さん(48)=東京都杉並区=が建てたもの。中込さんは「母が亡くなって8年。ようやく歌碑を建てることができ、うれしい」と話していた。
昭子さんは児童養護施設に勤務する傍ら、短歌の秀作を次々と発表した。1985年に歌集「花いちもんめ」で第29回現代歌人協会賞受賞。2005年から翌06年までNHKのラジオ番組「ラジオ深夜便」の中で「誕生日の花と短歌」を発表していたが、放送中の05年10月に亡くなった。
朝弥さん、中込さんとも数年来、「歌碑を建立したい」という思いを持っていたが、これまで実現しなかった。昨春から今春にかけて「ラジオ深夜便」で「誕生日の花と短歌」が再放送されたことをきっかけに昨夏、2人が実現に向けて動きだした。
膨大な昭子さんの作品群から、「最も母の人柄を表しており、誰もが共有できる歌」(中込さん)として「季(とき)外(そ)れて 咲くタンポポの 小ささよ それでいいのよ それでいいのよ」を選歌。庭園内に横たわっていた鳥海石(高さ約1・6メートル)を立て、中に高校の書道教諭だった伊藤滋子さん(68)=酒田市砂越=が歌を揮毫(きごう)した黒御影石をはめ込んだ。
庭園で行われた除幕式には関係者約80人が参列。歌碑が現れると訪れた人から拍手が起きた。式典終了後、中込さんは「多くの人に愛され、気持ちを和ませる歌碑になってほしい」とあいさつした。
2014年(平成26年) 5月8日(木)付紙面より
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庄内地方で田植えが始まった。前日からの雨が上がって好天に恵まれた6日、遊佐町内の田んぼでは、残雪と黒い山肌のコントラストが鮮やかな鳥海山をバックに各所で作業。田植え機のエンジン音が周囲に響き渡り、“春本番”の到来を告げている。
水田3ヘクタール余りで、JA庄内みどりと生活クラブ生協(本部・東京)の共同開発米のうち「ひとめぼれ」を栽培している同町当山の農家・土門喜晃(きこう)さん(64)は6日、妻と義弟の手を借り同町北目の田んぼで田植え作業。6条植えの田植え機を自在に操り、苗を植え付けた。
今季は天候に恵まれて苗が順調に成長。このところ晴天が続いたため、昨年より数日早い5日から田植えを始めたという。「苗が伸び過ぎないうちに植えようと思った。7日午前中ぐらいで終わるのでは。今後もさまざまな作業は続くが、何よりの願いは好天」と話していた。
JA庄内みどり営農企画課によると、管内の田植えは通常、10日ごろから本格化し、15日ごろに最盛期を迎えるという。