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荘内日報ニュース


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2015年(平成27年) 10月15日(木)付紙面より

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品質、食味とも良好 取引業者ら招き新米試食会

 庄内みどり農協(阿部茂昭組合長)の新米試食会が13日、酒田市の同農協本所で開かれ、地元の取引業者らが管内で収穫されたつや姫など4種の新米を味わった。

 地元産米への認識を高めようと、2005年から毎年この時期に実施している。今回は地元の飲食店や宿泊施設、東北農政局、県、酒田市、遊佐町の農政担当者、同農協幹部ら計約40人が参加した。

 阿部組合長は「品質、食味とも例年以上に仕上がっている。TPP(環太平洋経済連携協定)が大筋合意したが、国産は安全・安心。特に米は地元産を食べて」とあいさつ。管内で収穫されたつや姫、ひとめぼれ、はえぬき、ササニシキの4種の銘柄名を伏せて出されると、参加者は香りやつやなどを比べながら試食、あちこちから「おいしい」の声が上がった。

 作柄を報告した県庄内総合支庁酒田農業技術普及課の佐野智義課長補佐によると、本年産米は春先に日照に恵まれ、分けつが多く、茎数を多く確保できた。しかし、8月のお盆ごろを境に降雨続きで登熟が心配されたが、茎数が多かったため、単位面積当たりのもみ数は確保。品質、食味とも良好という。同農協によると、これまでのところ、1等米比率は平均99%。内訳はササニシキが85%程度とやや低めだが、その他はほぼ100%という。

庄内みどり農協管内で収穫された新米の試食会
庄内みどり農協管内で収穫された新米の試食会


2015年(平成27年) 10月15日(木)付紙面より

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歌やゲームに笑顔いっぱい

 鶴岡市京田地区の「鶴亀老人クラブ」(佐藤年繁会長)の会員が14日、同市高田のほなみ保育園(鈴木智恵子園長、園児108人)を訪問し、年長組の園児とミニ運動会などで交流した。

 同クラブは毎年この時期、世代間交流を図ろうと同園を訪問している。今回は70―90代の会員27人が参加した。初めに年長組21人が「どんぐりころころ」「まっかな秋」など歌を発表。また、今月10日に同園で行われた運動会で、園児たちが頑張ったこととして縄跳びや跳び箱、鉄棒の前回りなどを披露した。

 続いて、園児とお年寄り合同で4チームに分かれ、じゃんけんゲームやミニボールリレーで交流。トップになったチームは一緒に「やった」と喜びを爆発させていた。佐藤みつ子さん(96)は「みんなかわいい。子供たちと触れ合うと、とても元気が出てくる」と笑顔で話していた。

 その後は福笑いや折り紙などの昔遊び、会食で交流し、楽しいひとときを過ごしていた。

うまくパスして! 園児とお年寄りがボールリレーで楽しく交流した
うまくパスして! 園児とお年寄りがボールリレーで楽しく交流した


2015年(平成27年) 10月15日(木)付紙面より

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森の時間93 ?山形大学農学部からみなさんへ?

豊作のブナ林はドミノ会場? 小山 浩正

 キタたぞ、キタ、キタ、ついに来た!ブナの豊作がやって来ました。昨年からこの連載でも予告してきましたが、本当にそうなりました。庄内では実に10年ぶり。そうと決まれば、やりたいことが色々あるので忙しくなりますぞ。まずは「ブナ林(リン)ピック」ですな。タネを拾って、皮の早剥きを競うゲームです(エンブレムは募集してません)。剥いた実でケーキを作りましょう。脂肪分に富んだ実は加熱すると一層美味しくなるんです。10年待った味をじっくり楽しみたいものです。

 やりたいことがもうひとつ。こっちは森を研究する者として温めていたアイディアで、「ドミノ仮説」と名付けました。トレード・オフという言葉をご存じでしょうか?一方を求めると他方が損なわれる関係のことです。食べ物でも、お金でも、大勢で分け合えばひとり分は少なくなるし、誰かが欲を出したらあぶれる者が出ます。こうした数と量をめぐる相克がトレード・オフです。植物が生活に使うエネルギーの配分にもこれがあります。限られたエネルギーを大量の結実に使ったら、他で使う分が減るわけです。ブナではそのしわ寄せが葉っぱを付ける量に現れるみたいです。大量にタネを付けた今年のブナたちを見ると「大丈夫か?」と心配になるほど貧弱な葉しか付けていません。

 こうなると「風がふけば…」のごとく、生き物たちのドミノ現象が起こります。樹冠の葉が少なければ地面に届く日差しが増えます。つまり、豊作年のブナ林の中は明るくなるのです。私たちの研究室では、今回の豊作を見越して昨年からブナ林内の明るさを測っておきました。凶作だった昨年は1ヘクタール当たり3トン以上の葉が付いていたので林内は真っ暗でした(森の外の明るさの5%)。これが豊作の今年には2トンに激減し、逆に明るさは去年の2倍を超えています。下で耐えていたブナの稚樹には今こそチャンスです。でも恩恵を受けるのはブナだけではありません。例えば、ツバキとかクロモジのような低木にも朗報です。もしかしたら彼らの開花も促されるかもしれない。すると花の蜜を求めて虫たちがやって来て花粉を運ぶ。おかげで低木のタネが沢山できればネズミやリスたちの餌も増えます。つまり、ブナが豊作になる→上で葉が減る→中が明るくなる→下の植物が活気づき→おかげで昆虫が活躍する→すると動物たちも元気になる、という連鎖が起こるでしょう。まさに「ドミノ」です。ふだんはあまり変化がない森の中も、この時だけは生き物の祭典となるか?それを確かめるチャンスがやっと来たのです。

 ところで、どうしてブナは滅多に豊作にならないのか?そして、その豊作が来ることを、なぜ私たちの研究室では予め分かったのでしょう?今月29日に農学部で開催される『農学の夕べ』で種明かしをします。タネや枝葉を手に取って頂きながら解説しますので、是非ご参加ください。そして、ブナのケーキは出るか?それは…。

(山形大学農学部教授 専門はブナ林をはじめとする生態学)

ブナ林とユキツバキ 鶴岡市朝日地域=自然写真家・斎藤政広、2014年10月11日撮影
ブナ林とユキツバキ 鶴岡市朝日地域=自然写真家・斎藤政広、2014年10月11日撮影



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