2015年(平成27年) 10月30日(金)付紙面より
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酒田市の県立酒田特別支援学校(畑山淳一校長、園児・児童・生徒104人)で29日、天井や壁、つるした布などに水中映像を投影するセイコーエプソン(長野県諏訪市)のバーチャル水族園「ゆめ水族園」が開幕。30日までの2日間、癒やしの音楽とともに迫力ある映像が訪れた人の目を楽しませる。
「外になかなか出られない、入院している子どもたちに楽しい空間を見せてあげたい」―。病院勤務の看護師の言葉を受け、「エプソン」ブランドが40周年の節目を迎えた今年、自社製品を活用した社会貢献活動として、同社では「ゆめ水族園」を全国16カ所で開催。人気の高い「クラゲ」の映像は、鶴岡市の加茂水族館が全面協力した。
酒田特支での開催は9カ所目で、設立30周年を迎えた同社のグループ企業・東北エプソン(酒田市)と共に企画。セイコーエプソン技術開発推進部に勤務するアートディレクター、山本明彦さんら両社の社員約20人が28日に来校し、同校知的部プレイルーム内にプロジェクターを設置したり、布をつるすなどの作業を行った。
29日は酒田特支で公開授業が行われ、近隣住民も水族園を訪問。音楽に合わせて壁・天井に映し出されるアザラシやアシカの映像は、迫ってくるかのように迫力満点。カーテン状に幾重にもつるされた布の中に入ると、クラゲや群れを成した魚と一緒に泳いでいるかのよう。訪れた人たちは時間がたつのも忘れ、数々の映像を楽しんでいた。
山本さんは「映像に包まれ、さらに触るという柔らかな外部刺激は、体・心を安定させるのでは」と話していた。