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2015年(平成27年) 8月6日(木)付紙面より

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太鼓に合わせてテンポ良く 女子児童生徒「みかぐら隊」

 鶴岡市大西町町内会が継承している女子児童・生徒による踊り「みかぐら」隊のメンバーが5日、市内の高齢者施設2カ所を訪れ、太鼓の音に合わせて扇子と鈴を持ってテンポ良く踊るみかぐらを披露、お年寄りに喜ばれた。

 みかぐらは40年ほど前、学区である朝暘第六小学校で有志の先生が始めたクラブ活動がきっかけで学区内の町内会に波及。しかし、子どもの減少などで下火となり、現在継承しているのは大西町のみとなっている。

 同町内会では「みかぐら保存会」(渋谷良会長)を組織し、小学5年から中学生までの約30人が所属。毎年、7月末に1週間の早朝稽古を積み、夏祭りとみこしパレードの際に上演。8年前からは発表の場として市内の福祉施設を訪問している。

 この日はみかぐら隊のメンバー13人が参加し、同市内の介護老人保健施設かけはし(民田)とデイサービスみやはら(三和町)の2カ所を訪問。このうち午前に訪れたかけはしでは、通所利用のお年寄り50人ほどの前で黄色のそろいの法被姿のメンバーたちがみかぐらを上演。上演の合間にはリングベルの演奏や手遊びをしてお年寄りと交流した。

 今年初めてみかぐらに挑戦した朝六小5年の成田愛珠魅(あずみ)さん(11)は「最初は踊るのが難しかったけれど、覚えてしまうと簡単。お母さんも子どもの頃にやっていたと聞いた。踊って喜んでもらえるとうれしい」と話していた。

テンポ良い動作を繰り返すみかぐらを披露する大西町のメンバーたち=鶴岡市民田のかけはし
テンポ良い動作を繰り返すみかぐらを披露する大西町のメンバーたち=鶴岡市民田のかけはし


2015年(平成27年) 8月6日(木)付紙面より

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日本のユーモア小説の第一人者・佐々木邦 親族が来鶴

 日本のユーモア小説の先駆けでその第一人者として知られ、明治から昭和にかけて活躍した鶴岡市ゆかりの作家・佐々木邦さん(1883―1964年)の親族が5日、佐々木さんが戦時中に疎開していた同市大東町の本鏡寺(藤本典行住職)を訪れた。戦後70年の節目に、同寺に残る句碑や絵画を見学し、佐々木さんの鶴岡での足跡に思いをはせ、疎開先で亡くなった同市出身の妻・小雪さんの霊を弔った。

 佐々木さんは静岡県出身。英文学者として明治学院大教授などを務めた。学生時代から欧米のユーモア作家に影響され、多くの作品を残した。サラリーマン家庭の家族的なユーモアをテーマにした作品が多く、18作品は映画化され、62年に紫綬褒章受章。日本のユーモア文学の発展に尽くした。「愚弟賢兄」「地に爪跡を残すもの」「求婚三銃士」などの作品がある。

 マンガ「サザエさん」の作者・長谷川町子さん、作家の向田邦子さんらが影響を受けたとされ、鶴岡市出身の作家・丸谷才一さんは作品の中で佐々木さんを「ユーモア小説の第一人者。探偵小説における江戸川乱歩のやうな存在」と記している。

 佐々木さんは終戦直前の1945(昭和20)年7月、自宅があった東京都渋谷区から、妻の小雪さん(旧姓服部)の知人を頼り旧温海町五十川の民家に疎開。終戦後に本鏡寺に移り、48年9月まで滞在した。地元や同様に疎開していた多くの文化人らと交流し、県立農林専門学校(現山形大農学部)で英語講師も務めた。小雪さんは47年12月、62歳で亡くなった。鶴岡について佐々木さんは戦後、「鶴岡の方々のこまやかな人情味は今でも忘れられず、永住してもよいと思ったほどです」と語っている。

 こうした佐々木さんの足跡を訪ねたのは、孫の柴本順子さん(77)=東京都三鷹市=と夫の昌重さん(78)、三女の純佳さん(43)の3人。順子さんは「戦争や疎開を含めた祖父母のことについて、今、私たちの世代が見て調べて、しっかりと子供たちの世代に伝えていかなければと思い、初めて鶴岡を訪れました」と話し、昌重さんは「邦さんが疎開してちょうど70年。節目の年に訪れることになったのも何かの縁で、巡り合わせです」と話した。

 本鏡寺の境内には、佐々木さんの「見知り顔の万才老いて来りけり」の句碑があり、疎開当時に描いたとみられる鳥の絵も残る。順子さんらによると、疎開時に佐々木さんは「われもまた出羽の米くういなごかな」の句を詠んだ。

 順子さんは「出羽の米を食べるという句には、大切なお米をいただくことの申し訳なさとありがたさ、鶴岡の方々の温かい人情が表されていると思う。鶴岡を訪れることができて、本当に良かった」と、祖父母への思いをはせながら語った。

 佐々木さんについては、没後50年の昨年、孫で順子さんのいとこの松井和男さんが「朗らかに笑え ユーモア小説のパイオニア佐々木邦とその時代」(講談社)を刊行している。

佐々木邦さん、小雪さん夫妻が疎開していた本鏡寺で、邦さんの句碑を見学した孫の順子さん(左から2人目)と、夫の昌重さん、三女の純佳さん一家
佐々木邦さん、小雪さん夫妻が疎開していた本鏡寺で、邦さんの句碑を見学した孫の順子さん(左から2人目)と、夫の昌重さん、三女の純佳さん一家



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