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2016年(平成28年) 3月13日(日)付紙面より

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「わすれない3・11」 東日本大震災から5年 追悼のキャンドルともす

鶴岡 震災の記憶語り継ぐ

 「あの日」と同じ金曜日の小雪が舞う夜だった―。東日本大震災から丸5年を迎えた11日、庄内各地で震災の記憶を心に刻む「5年目のキャンドルナイト」などの追悼行事が行われた。鶴岡市の鶴岡アートフォーラムの入り口には「わすれない」の文字が浮かび上がった。

 キャンドルナイトは、仙台市で被災した鶴岡市出身の女性がフェイスブックで発信したメッセージをきっかけに、震災翌年の2012年から「震災を風化させず被災者と思いを共有しよう」と呼び掛け、市民や山形大農学部の学生が実行委員会(代表・菊池俊一山形大農学部准教授)を立ち上げて始まった。活動は酒田方面にも広がり、酒田では東北公益文科大の学生らが活動に加わっている。

 この日、鶴岡市のメーン会場の鶴岡アートフォーラムでは日没後、この1年をかけて市民参加のワークショップという形で製作してきた約2000個のキャンドルに点灯。小雪が舞う中、道路に面した入り口には「わすれない 3・11」の文字が浮かび上がった。

 午後7時からはアートフォーラム内の階段状になった交流広場で「キャンドルの夕べ」が開かれ、大学生によるギターと歌の演奏や、三瀬保育園の園児によるかわいらしい踊り、留学生たちの民族楽器による演奏、合唱などが繰り広げられた。キャンドルを送った被災地の映像をスクリーンで結ぶ試みも行われ、同時刻に「心」をつないだ。

 市内の女性(57)は「大学生の娘が仙台にいて怖い思いをしたのが忘れられず、何か自分にできることをやりたいと毎年足を運んでいる。その気持ちを忘れずにいたい」と話した。

 キャンドルナイトに先立ち、同会場で追悼式も行われ、地震が発生した午後2時46分に黙とう。学生代表の山大農学部3年、中沖美優さん(22)は高校生だった時に出身地の東京で地震を体験し、帰宅困難となり冷たい体育館で一夜を明かしたことなどを語り、「過去を未来に生かす一歩として、続く世代に私たちが震災の記憶を語り継ぐ義務がある」と未来へのメッセージを読み上げた。

酒田 祈りを届け復興願う

 一方、酒田会場は同日午後6時から同市中町二丁目の中町モールで、生涯学習施設「里仁館」(冨士直志館長)が中心となって開き、東北公益文科大の学生や酒田光陵、酒田南、天真学園各高校の生徒を含め市民約300人が参加した。

 学生や市民が事前に製作した紙コップのキャンドル約1500個を道端に並べ、「3・11 きぼうの光」という文字を浮かび上がらせた。冨士館長はあいさつで「未曽有の災害を風化させず、被災地に祈りを届けよう」と集いの意義をあらためて説明。中町中和会商店街振興組合の脇屋直紀理事長が「酒田でも『津波てんでんこ』の教訓を忘れずに」と呼び掛けた。巡視船「とね」の号鐘を鳴らして犠牲者に黙とうをささげた後、酒田マリーンジュニア合唱団の18人が「故郷」「花は咲く」などを合唱。参加者の中にはキャンドルを見つめ、おえつを漏らす人もいた。

 同合唱団員の平山響生君(15)=酒田二中3年=は「同じ東北の多くの人が犠牲になった。被災者が一日でも早く普通の生活に戻れるようになってほしい」、キャンドル作りから参加している齋藤鈴音さん(17)=酒田光陵高2年=は「震災当時、自分は小学生だったが、当時のことを鮮明に覚えている。被災地はまだまだ復興していない。一日でも早く復興してほしい」とそれぞれ集いに参加した思いを話した。

 近くの酒田柳小路屋台村「北前横丁」でも午後6時半から30分ほど、9店舗が里仁館の協力で製作しておいたキャンドルをともし、その明かりだけで営業。来店者は5年前を思い出し、被災地に思いをはせていた。

大勢の市民が集い、ガラス越しにキャンドルが見える会場で合唱や園児の踊りを披露した「キャンドルの夕べ」=11日、鶴岡アートフォーラム
大勢の市民が集い、ガラス越しにキャンドルが見える会場で合唱や園児の踊りを披露した「キャンドルの夕べ」=11日、鶴岡アートフォーラム

キャンドルで「3・11 きぼうの光」の文字を浮かび上がらせ、被災地に思いをはせた酒田会場=11日、酒田・中町モール
キャンドルで「3・11 きぼうの光」の文字を浮かび上がらせ、被災地に思いをはせた酒田会場=11日、酒田・中町モール



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