2016年(平成28年) 4月10日(日)付紙面より
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「初心者のためのやさしい古文書入門教室」が8日、酒田市の港南コミュニティ防災センターで開講。これまで収集した古文書や古絵図など約1万点を紹介する「庄内酒田古文書館」を同市みずほ一丁目の自宅内に開設する庄内史研究家、杉原丈夫さん(70)の指導で、受講者は来年3月末まで計24回にわたって知識を深める。
杉原さんは38年間にわたり教職に就き、退職後は同市光丘文庫に勤務。今年3月末まで10年間、古典籍調査員として活躍した。教職退職後に山形大大学院社会文化システム研究科で学びを深め、修士課程を修了している。「古文書は難解な文字が出てくるため、読めないと諦める人が多くいる。時間をかけ、段階的に解読法を身に付けてもらえたら」(杉原さん)と本年度、同教室を開講。テキストは全て、自ら所蔵する庄内地域の古文書を使用するという。
初回の教室には受講者10人が参加し、江戸・享保年間に書かれた「飽海郡平田郷」の検地帳の解読に挑戦。杉原さんは「江戸時代の古文書は濁点をあまり使っていない」「庄内弁で書かれていることが時々あるので、注意して」などと精力的に指導。受講者たちは「読めるようになると楽しくなりそう」「読めるようになると、掛け軸などの見方も変わるのでは」などと話した。
杉原さんは「最初は『なんだろう』と思うかもしれない。力が付くにつれて興味が出てくるはず。1人で資料を見ていても投げ出すことが多い。にぎやかに解読していけたら」と語った。
同教室では受講者を募集している。毎月第2、4金曜日の午後1時半―同3時で、受講料は月1000円(資料代は別途)。会場はいずれも港南コミセン。問い合わせは杉原さん=電0234(23)4163=へ。