2016年(平成28年) 4月12日(火)付紙面より
ツイート
鶴岡市三瀬の気比神社(石塚志郎宮司)の例祭が10日、同地区で行われ、若衆らが威勢よく跳ねながらみこしを担いだ。これまでは例祭を毎年4月12日に行ってきたが、担い手の確保などから初めて「4月の第2日曜」に開催。まずまずの天気に恵まれ、勇壮な祭りを楽しむ見学客でにぎわった。
保食大神(うけもちのおおかみ)を祭り、約1300年前の創建と伝わる同神社の例大祭。庄内の春の祭りの先頭を切って実施されることで知られる。
地元でつくる祭典実行委員会によると、昨年度の学校統合で小堅、由良地区の児童も豊浦小(旧三瀬小)に通っていることから例祭が平日の場合に児童の参加が不可能になることや祭りの担い手確保の面から実行委で祭りの在り方を検討。神社の大祭はこれまで通り12日に行い、みこし行列などの祭りは4月の第2日曜に日程を変更して行うことにした。
この日は、みこしを担ぐ白装束とえぼしを身に着けた地区の20―30代の若衆をはじめ、紋付きや振り袖など晴れ着に身を包んだ氏子ら約180人の行列が地区内を練り歩き。小中学生はもち米を酒で固めて作った「安産(やんさ)」を担ぎ、地区の一軒一軒を回った。
午後3時ごろ、同神社へと続く目抜き通りに行列が到着しクライマックスへ。「エイッ、エイッ、エイッ」の掛け声で、80メートルほどの直線を若衆12人が推定300キロといわれるみこしを上下に跳ねながら走って担ぐ「跳ね神輿(みこし)」を披露した。
沿道には地区出身者ら待ち構えた見物客が今か今かとみこしを待ち、若衆が登場すると「もっと跳ねろ」「まだまだ」などと歓声。神社につながる最後の丁字路前では、「危ない」「離れろ」の声も上がる中、フェイントをかけながら7回目でみこしが丁字路を曲がって神社へ。勇壮な祭りに見物客から拍手が湧いた。