2016年(平成28年) 7月31日(日)付紙面より
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「土用の丑(うし)の日」の30日、鶴岡市長沼の「長沼温泉ぽっぽの湯」で“しょうぶ湯”のサービスが行われた。腰痛や神経痛を和らげる効果が期待できるというしょうぶ湯を利用客が楽しん
だ。
同温泉のしょうぶ湯は毎年、土用の丑の日に合わせて行われており、旧長沼温泉時代から続く伝統行事という。ショウブの葉は地元長沼地区と三川町の利用者が提供し、合わせて約13キロになった。これを職員が束ね、午前と午後の2回、男女の源泉槽や露天風呂に入れた。
利用客は「しょうぶ湯は珍しい。どんな効果があるの?」と職員に尋ねながらじっくりと温まり、ショウブの爽やかな香りを満喫していた。
同温泉の板垣豊樹支配人は「一般的にしょうぶ湯は5月の端午の節句だが、長沼地区は昔から土用の丑の日。この日にしょうぶ湯に入ると病気にならないという言い伝えがある。ショウブの香りを楽しみながら、心の癒やしにしてほしい」と話していた。
2016年(平成28年) 7月31日(日)付紙面より
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「土用の丑(うし)の日」の30日、前日に梅雨明けした庄内地方は午前中から気温が上昇して30度を超える真夏日となり、各料亭や料理店では夏バテ防止にうなぎのかば焼きを買い求める人たちの注文が舞い込み大忙しとなった。
明治から100年以上続く鶴岡市本町一丁目の老舗「長山亭」(鈴木嘉男店主)ではこの日、午前5時ごろから仕込みを開始。応援を得た親類を含め家族総出で調理作業に追われた。うな重やうな丼を楽しみに訪れる来店者だけでなく、注文の配達などを合わせ、この日一日で約600串のかば焼きを焼くという。
厨房(ちゅうぼう)では、「煙との戦いです」と話す鈴木店主の長女の路子さん(53)が、串に刺したうなぎに“秘伝のたれ”を何度も絡めて、1串ずつ焼き具合を確かめながら丁寧にふっくらと焼き上げていた。食欲を誘うかば焼きの甘く香ばしい香りが店先まで漂い、誘われるかのように午前11時ごろから次々と家族連れやグループ客がのれんをくぐった。
鈴木店主は「年々国産ウナギの仕入れが大変になっている。それでも、長年の業者との付き合いで、今年も8割以上は国産を確保できた。最近は、テークアウトで買い求めてくれる人も多い」とし、「毎年楽しみにしてくれる常連さんも多く、29日から31日までの3日間は普段より割安で提供します」と話していた。