2017年(平成29年) 2月1日(水)付紙面より
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国宝に指定されている鶴岡市羽黒町手向の「羽黒山五重塔」で31日、雪下ろし作業が行われた。山中は時折、“もっつもっつ”と雪が降る中、出羽三山神社の職員が最上層の屋根に上り、雪を地上に落とした。
羽黒山五重塔は承平年間(931―938年)に平将門が建立したと伝わるが定かでない。東北地方で最古の塔とされ、1966年に国宝の指定を受けた。九輪を含めた高さは約29メートル。
五重塔を管理する出羽三山神社では、雪の重みから国宝を守ろうと、毎年この時期に雪下ろし作業を行っている。
この日は午前9時から職員5人が作業を開始。内部の階段を上り、地上25メートルほどの最上階へ。例年、1・5メートルから1・7メートルあるという積雪は、今年は少なめの1・2メートル。ヘルメットや命綱を着けた職員が、屋根を傷つけないように気を付けながらスノーダンプなどで雪を落とした。
高い屋根の上での作業はまさに命懸け。同神社営林部の手塚良一さん(58)は「地元の人で五重塔を守っていこうという気持ちで作業をしている。新雪なので作業はしやすい」と話していた。
雪下ろし作業は午前中いっぱいで終了した。