2017年(平成29年) 2月18日(土)付紙面より
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鶴岡市加茂の妙定寺(守山正純住職)で16日、恒例の「ヤクヨケ豆マキ大祈祷(きとう)会」が行われた。県内外から詰め掛けた信徒らが、豪快にまかれる福豆を浴びて厄を払い、家内安全、身体堅固を祈った。
同寺の豆まきは日蓮宗の宗祖・日蓮上人の誕生日の16日に毎年行っており、上人が佐渡へ流罪となった際、島民を苦しめている大蛇を経文が書かれた小石で退治したという逸話に由来する。まかれた豆が体に当たると厄が払われ、食べると御利益があるとされる。
この日はあらかじめ100日間にわたり経が込められた大豆が約600キロ用意され、県内外から約200人の信徒らが参列した。初めに「お上人」と呼ばれる僧侶たちが境内で冷水を浴びて身を清めた後、本堂で祈祷を行い、参列者の家内安全や身体堅固を祈願した。
約1時間の祈祷の後、4人のお上人が「南無妙法蓮華経」と唱えながら升を肩に担ぐと、浴びせるように豪快に豆まき。参列者たちは「こっちこっち」と身を乗り出し、威勢よくまかれる豆やミカン、餅などを手を広げて歓迎した。
山形市から家族と訪れた矢野郁子さん(33)は「悪いものも飛んでいきそうなくらいたくさん当たった」と話していた。