2017年(平成29年) 3月23日(木)付紙面より
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鶴岡市黒川の庄内たがわ農協水稲育苗センターで、温湯を使った稲の種もみ消毒作業が行われている。浸水や芽出しの工程を経て各農家に引き渡された後、いよいよ田植えのシーズンを迎える。
同センターでは雑菌や細菌の消毒、イネばか苗病などを防ぐために温湯消毒を行っている。以前は薬剤による消毒を行っていたが、2005年から安全・安心な消毒方法として温湯消毒が全国的に広まったことを受けて切り替えた。
今年は今月15日に作業を開始。ネット状の袋に詰められた種もみ8袋(1袋5キロ)を籠に入れ、60度のお湯に浸して10分間消毒し、15度の水で5分間冷却する。その後、種もみは屋外の水槽で2週間ほど水に浸し、催芽(芽出し)の後に各農家へ引き渡される。
21日は庄内一円の生産者から引き受けた「はえぬき」や「つや姫」の種もみ合わせて約8トンを消毒。消毒や冷却が終了すると、クレーンを上下させて袋詰めされた種もみをお湯や水に浸す作業を繰り返した。
同農協櫛引支所によると、今年ははえぬき、つや姫、ひとめぼれ、ササニシキ、コシヒカリ、あきたこまちなどのうるち米のほか、美山錦や出羽燦々(さんさん)などの酒米、ヒメノモチやでわのもちなどのもち米、飼料米など合わせて23品種約180トンを取り扱う。試験的に栽培されている新品種「雪若丸」も少量扱うという。
同支所は「早い農家なら5月初めに田植えができるよう、種まきや代かきのスケジュールを立てているようだ」と話していた。