2017年(平成29年) 4月4日(火)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市、吉村昇学長)の学生有志による機能別消防団「学生消防団」が2日、発足した。団本部付で消火活動には従事せず、特定分野で団活動を展開するもの。市危機管理課では広報活動や災害発生時の支援業務などを想定。同日夜、市ひらたタウンセンター・シアターOZで行われた市消防団(佐藤薫団長)の辞令交付式の席上、男子学生3人も辞令を受け、「地域住民の防災意識を高めていきたい」などと抱負を語った。
市消防団は現在、32分団と団本部に属する女性分団で組織。酒田に限らず、全国的に団員数が減少傾向にある中、市は本年度、学生ならではの視点で地域防災に関わりを持ち、地域住民に対する啓発活動を行うことで「地域防災力」の強化を図るとともに、卒業後も団員として活躍する人材を育成しようと、公益大の協力で学生消防団を発足させた。
団員の辞令を受けた学生は、▽田宮進さん(21)=新4年、鶴岡市出身▽原田翔太さん(21)=同、天童市出身▽畠山拓也さん(20)=新3年、秋田市出身―の3人。他の新入団員58人らと共に辞令交付式に臨んだ。
交付式では、矢口明子副市長が「仕事や学業との両立は大変だが、安全・安心な街づくりに向けて引き続き尽力を」とあいさつ。階級変更者・新入団員一人一人が読み上げられ、佐藤団長が辞令を交付した。
新入団員を代表し田宮さんが「市民全体の奉仕者として良心に従い、誠実・公正に消防の責務を遂行していく」と宣誓。これを受け、佐藤団長は「有事の際に出動し、被害を最小限に食い止めるのがわれわれの仕事。先輩の教えを守り、一日も早く一人前の団員になってほしい」と訓示した。
消防士をはじめ公務員志望という3人。田宮さんは「災害はいつ起こるか分からない。地域住民に防災の大切さを啓蒙(けいもう)したい」、原田さんは「積極的に活動に参加し、将来につなげていけたら」、畠山さんは「地域貢献したいと思っていた。若い力で活動を展開したい」とそれぞれ話した。
同課によると、学生消防団の発足は県内初。発足に合わせ市は、学生による団活動の実績を認証し、就職活動の際などにアピールできるようにする「市学生消防団活動認証制度」を創設した。今後は学生団員のアイデアを取り入れながら諸活動を展開していく方針。