2017年(平成29年) 4月22日(土)付紙面より
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美食の街で知られるスペイン・バスク州ビルバオ市のミシュラン一つ星レストランのシェフ3人による食のイベント「ビルバオ・ミーツ・鶴岡」が20日夜、鶴岡市のグランドエル・サンで開かれた。星付きシェフ3人が野菜や漬物など鶴岡の食材を使って料理を提供。地元の料理人たちが調理の補助に入り、星付きシェフの技に触れるなど交流を深めた。
世界料理人交流事業として鶴岡食文化創造都市推進協議会(会長・榎本政規市長)が企画。来鶴しているのは、いずれも一つ星レストランのシェフであるアルバロ・ガリード氏(40)=レストラン「ミナ」、ホセミゲル・オラサバラガ・レガルタ氏(47)=レストラン「アイシアン」、セルヒオ・オルティス・デ・サラテ氏(42)=レストラン「ザラテ」=の3氏。一行は18―22日の日程で滞在している。
滞在中のメーンイベントとして開かれたこの日は、3氏が午前中から半日かけて料理を準備。魚市場で選んだタイやカナガシラなどの鮮魚、スペインでは添え物としてあまり野菜を食べない中で産直を回って葉物野菜の豊富さに驚いたシェフたちが取り入れた葉ワサビなどの山菜や野菜、オリーブの代用として藤沢カブの漬物など鶴岡の食材を使ってそれぞれがメニューを用意。地元の和洋の若手料理人15人が補助として参加し星付きシェフの技に直接触れた。
夜のイベントには市民100人が参加。スペインの立ち飲みスタイル、バルをまねて立食形式で行われ、マリネしたアジや藤沢カブの甘酢漬けなどを串刺しにした前菜や日本の酒かす料理に影響を受けたという白ワインのおりを使ったソースを添えた野菜の一品、タイやカナガシラを焼いてだしを取った漁師風スープ、庄内豚のローストなど8品が小皿で提供された。
市内から訪れた女性(52)は「おいしい。普段食べている食材が全く違う料理になっていて新鮮。食によってこうした交流ができて味わえるのは幸せを感じる」と話し、調理補助で参加したイタリアンシェフの伊藤亮さん(35)は「食材の組み合わせや味の構成の仕方などすごく勉強になった」と話していた。