2017年(平成29年) 5月21日(日)付紙面より
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鶴岡市の加茂水産高校(坂尾聡校長)で19日、急速冷凍技術の講話と実演会が開かれた。海洋技術科3年生14人と同科2年生6人が出席し、急速冷凍について学んだ。
同校は2015年4月に文部科学省から指定を受けたスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)の一環で、冷凍技術・窒素氷の研究を行っている。今回は、冷凍機を製造販売するテクニカン(本社・神奈川県)の齊藤睦さんが来校し、実演を行った。
齊藤さんは同社のアルコール溶液を使ったリキッドフリーザーについて「一般的な空気凍結よりも急速に冷凍するので氷の結晶が大きくならず、細胞が壊れない。品質を保ちながら長期間の保存が可能になる」と説明。さらに「空気凍結の20倍のスピードで冷凍できる」と紹介し、ゼリーを凍らせる実演を行った。マイナス40度前後の学校の冷凍庫で約5時間凍らせたゼリーとリキッドフリーザーで15分冷凍したゼリーを食べ比べた生徒たちは「全然違う」と驚いていた。
3年の中村翼君(17)は「急速冷凍したゼリーは氷の粒が小さいので滑らかな食感。リキッドフリーザーのことは知っていたが、実際に見るのは初めてでスピードと通常冷凍との違いに驚いた。課題研究でイカを取り上げているので、急速冷凍して鮮度の違いを調べてみたい」と話していた。
22日から7月20日にかけて行われるスルメイカ資源調査の際には急速冷凍できる液パックを使って船上で冷凍保存し、食味検査などを実施する。同校は「これから6次産業に発展させたい」と話している。