2017年(平成29年) 7月17日(月)付紙面より
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鶴岡市の出羽三山神社(宮野直生宮司)の例大祭「花祭り」が15日、同市羽黒町手向の羽黒山頂で行われた。青空の下、大勢の参拝客が、御利益を求めて稲の花に見立てた花梵天の飾りに手を伸ばした。
花祭りは、松例祭(12月31日―1月1日)、八朔祭(8月31日―9月1日)と並ぶ同神社三大祭りの1つ。稲が花を結ぶ時期に豊作を願う行事で、稲穂をあしらった高さ約4メートルの花梵天を出羽三山神社氏子保存会(芳賀利治会長)の男衆らが曳(ひ)き回す。五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全に御利益があるとされる花梵天の花を、参拝客が競って奪い合うのが見どころ。
この日は青空となる中、県内外から約3500人(主催者発表)が訪れ、山頂の境内を埋めた。神輿(みこし)とともに出羽三山を表した3本の花梵天が登場すると祭りは最高潮に。花梵天は鏡池の周りを2周する間に、参拝客の手が届くか届かないかの角度で傾けるなどして駆け引きを繰り広げた。
参拝各は傾いた瞬間を見逃さず、体を乗り出すように手を伸ばし、われ先にと花の飾りを奪い合っていた。
初めて訪れた山本美琴さん(11)=羽黒一小5年=は「花が取れて良かった。いいことあるかも。でも激しくてちょっと怖かった」と笑っていた。