2017年(平成29年) 11月11日(土)付紙面より
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酒田商工会議所(弦巻伸会頭)の創立120周年記念特別講演会「日本企業の中で輝き続けている方たちの鼎談(ていだん)」が9日、酒田市公益研修センターで開かれた。ANA総合研究所代表取締役副社長の河本宏子さん、資生堂顧問の関根近子さん、東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド執行役員の永嶋悦子さんの女性3人の鼎談を通じ、人が輝く企業の在り方などを考えた。
同商議所が1897(明治30)年の創立から120周年を迎えたことを記念し、酒田市と共催。最上町出身で、2014年8月に酒田市ふるさと観光大使に委嘱された関根さんが、交友関係のある河本さん、永嶋さんに呼び掛け実現した。約300人が聞いた。
初めに講師3人が一人ずつ登壇し、各社の歴史や「強み」を紹介。永嶋さんは従業員の意欲を高めるES活動として、上司が意欲的に働いている従業員にメッセージカードを贈る制度などを紹介し、「マンネリ化しないようにやっている。ライバルは同業他社ではなく、年々高まるゲスト(利用者)の期待感」とした。
河本さんはグループの行動指針として安全、お客さま視点、社会の責任など5つを挙げ、「その実践には意識と仕組みの両方が大切」と説明。安全意識を高める仕組みについては「気付いたことを声に出しやすい風土づくりが重要」として、お願いする、声に出す、感謝するのサイクルを奨励する「G・ASSERTION」の取り組みを紹介した。
関根さんは自社の強みとして高い技術力や徹底した安全追求などとともに、ヒューマン・セントリック(人間中心)を強調。「通販など人を介さない販売割合が増えているが、わが社は『その人から買いたい』など『人』を大事にしてきた。今後も人によるおもてなしを通じ永続的に成長したい。それには一期一会の精神が大事」とした。
続く鼎談では「輝いて働いている人に『素晴らしかった』などメッセージを添えてカードを渡す。もらうとモチベーション(意欲)がすごく上がる」(永嶋さん)、「自分を見てくれている人がいることがうれしい。『あなたを見てるよ』という小さな声掛けの積み重ねが大切」(河本さん)、「BC(美容部員)が会社を支えていることを管理職に理解してもらうため、アワード(表彰制度)を設けた。推薦や審査を通じBCの活動が分かり、モチベーションが上がった」(関根さん)など、意欲を持ち、輝いて働くための環境づくりなどについて活発に意見を交わした。