2017年(平成29年) 12月2日(土)付紙面より
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出羽三山神社(宮野直生宮司)の「松の勧進」が1日、鶴岡市街地で始まった。朝方は小雪が舞う中、山伏たちがほら貝を吹き鳴らしながら商店街を歩き、城下町・鶴岡に師走の訪れを告げた。
大みそかから元日にかけて羽黒山頂で行われる「松例祭」(国指定無形民俗文化財)の浄財を集める伝統行事。9月24日から始まり大みそかを満願とする100日間の修行「別火精進」に励んでいる2人の「松聖(まつひじり)」が、小聖と呼ばれる山伏を従えて家々を回り、無病息災や家内安全のお札を配る。同神社のお膝元の羽黒町手向地区では先月15日に始まった。
今年の松聖は、位上が奥井信雄(山伏名・信満)さん(74)=手向、先途が生田作治(同・清畝)さん(62)=同。一行はこの日、勧進の拠点となる山王日枝神社で祈祷(きとう)した後、午前8時45分すぎに市街地へ出発。松聖は商店街を通って旧庄内藩主酒井家を訪れ、「城下」を勧進するあいさつをし、歴代藩主を祭る荘内神社の拝所を回った。
この日は朝から雪が舞う中、鳴り響くほら貝の音に行き交うドライバーも目を留め、師走の訪れを実感していた。
松の勧進は今月いっぱい庄内一円で続く。