2018年(平成30年) 1月28日(日)付紙面より
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酒田市は来月6―12日、ロシア第二の都市であるサンクトペテルブルク市に市使節団を派遣する。世界三大美術館の一つに数えられる国立エルミタージュ美術館でひな人形展を開くほか、酒田舞娘(まいこ)による演舞などを通じ酒田の文化を紹介、交流促進の礎としてくる。
ペテルブルク市と酒田市の縁は、JA庄内みどりが2015年3月、同市特産の啓翁桜を輸出したのが始まり。その後、啓翁桜の輸出は続き、16年と17年にはエルミタージュ美術館に寄贈・展示され、好評を博した。昨年9月には現地で仲介している通訳会社社長が酒田を、同10月には丸山至市長がペテルブルクをそれぞれ訪問し、今回の交流事業や交流発展に向け下地づくりをしてきた。
今回は、酒田市が総務省の「ロシアとの自治体間交流の促進事業」の採択、外務省の「ロシアにおける日本年」の認定をそれぞれ受けて実施する。今後の文化、経済交流の発展に向けアピールしてくる狙い。使節団は丸山市長を団長に、阿部茂昭JA庄内みどり組合長、酒田舞娘2人、市の農政、社会教育の担当者ら計12人。
エルミタージュ美術館での展示は来月9日―3月8日に「古き日本の人形 ひな祭りのためのイベント展 酒田市立資料館の雛(ひな)人形」として実施。同資料館の江戸時代の古今雛1対と、伝統のつるし飾り「傘福」2基、啓翁桜を持参して飾る。
使節団は来月9日、同展示のオープニングセレモニーに出席し、その後、市内のホテルで開くレセプションで現地の行政や文化、露日友好協会の関係者ら約20人と交流、酒田市の特産品を紹介する。同10日には酒田市と現地の日本総領事館、露日友好協会との共催による交流イベントとして、啓翁桜を飾った会場で、酒田舞娘の演舞、現地の青少年による日本の歌のコンサートなどを開く。
事務局の酒田市教育委員会社会教育文化課では「桜によるつながりを大切に、酒田の文化を紹介し、今後の文化、経済交流の発展につなげたい。ロシアを代表する芸術文化の街であり、将来は芸術文化を通じた青少年交流なども実現できれば」としている。
来月1日には酒田市役所で使節団の結団式を行い、交流促進への決意を新たにする。