2018年(平成30年) 5月29日(火)付紙面より
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庄内浜で漁獲される水産物の内陸地方での消費拡大を図ろうという、「やまがた庄内浜の魚応援店」の加盟店舗と漁業者との交流会が28日、鶴岡市の由良地区で行われ、定置網漁漁船への乗船体験や水揚げされた魚の選別作業の見学などを通し、飲食店や鮮魚店の担当者が漁の現場に触れた。参加者からは「さまざまな魚が漁獲されることをあらためて知った。庄内の魚をもっとお客さんに出したい。市場に出回らない魚や漁獲が少ない魚なども仕入れられる流通ルートが欲しい」などの要望があった。
交流会は、県水産振興課が事務局となっている庄内浜の魚消費拡大総合プロジェクト推進本部が主催し、2年前から年1回実施している。この日は新庄、天童、山形市内の応援店の9人、庄内地域の庄内浜文化伝道師6人と漁業者、県漁協の関係者ら約30人が参加。早朝に同市三瀬の「仁三郎」の定置網漁漁船に乗り、入網したワラサやイナダ、サクラマス、カナガシラ、イシダイ、ヒラメなどの漁獲と、船上で魚の鮮度を保つ「神経締め」の作業を見学。その後、漁協での選別作業見学、由良コミュニティセンターでのカナガシラ汁や由良で養殖したニジマスの刺し身などの試食と意見交換が行われた。
意見交換では、応援店側から「庄内浜の魚はとてもおいしい。県内外の客に広めたい」「外国への輸出も考えている。庄内の魚を海外にも流通させたい」「漁の現場と神経締めなど丁寧な扱い方に実際に触れ、自信を持って客に勧められる。飲食店側も、いい素材をよりおいしく食べてもらうよう、調理方法を考えないといけない」などの意見があった。
一方で、少量多品種の庄内浜の水産物について、「漁獲量の少ない魚は市場に出回らず、仕入れたくても入ってこない。少量でも流通できるルートを構築してほしい」などの要望が相次いだ。天童市の温泉街の居酒屋で店長を務める遠藤慎太郎さん(35)は「漁の苦労を見て、仕入れた魚は無駄にはできないと感じた。県外の温泉客も多く地魚を求める声があり、もっと庄内の魚を提供してPRしていきたい」と話した。