2018年(平成30年) 8月2日(木)付紙面より
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文部科学省が4月に実施した「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果が31日に公表された。小学6年生と中学3年生を対象としたもので、本県の平均正答率は小中学校とも全国平均と同等の数値となった。前年度、全国平均を大きく下回った応用を問う問題などで改善傾向が見られたものの、算数・数学は今回も全国平均を下回るなど課題を残した。
学力テストは4月17日に実施。県内では特別支援学校などを含む小学校242校の児童8900人余り、中学校100校の生徒約9200人が参加した。国語と算数または数学、3年ぶりとなる理科を加えた3教科で、国語と算数・数学は基礎的な知識を問う「A問題」、応用力を問う「B問題」が出された。
平均正答率の公表方法は、競争をあおらないようにする目的から、前回から各都道府県分は小数点以下を四捨五入した数値(整数値)とした。そのため全国とのポイント差は幅が生じている。
調査結果を全国の平均正答率との比較で見ると、本県の小学校の国語Aは71%(全国平均70・7%)で全国比マイナス0・2?プラス0・7ポイントの差。国語Bは54%(同54・7%)でマイナス1・2?マイナス0・3ポイント。一方、算数Aは63%(同63・5%)でマイナス1・0?マイナス0・1ポイント、算数Bは51%(同51・5%)でマイナス1・0?マイナス0・1ポイントといずれも全国平均を下回った。理科は62%(同60・3%)でプラス1・2?プラス2・1と全国平均を上回った。
中学校は国語Aが77%(全国平均76・1%)で全国比プラス0・4?プラス1・3ポイントの差。国語Bは61%(同61・2%)でマイナス0・7?プラス0・2ポイント。数学Aは65%(同66・1%)でマイナス1・6?マイナス0・7ポイント、数学Bは46%(同46・9%)でマイナス1・4?マイナス0・5ポイントと、前年より全国との差は縮まった。理科は68%(同66・1%)でプラス1・4?プラス2・3。
県教委は算数・数学について「計算の意味の理解を基に、式に表す点で課題が残る。今後は形式的な計算の指導だけでなく、求め方を式に表したり言葉や図などを用いて説明したりできるよう、計算の意味の理解を深める学習活動を充実させる必要がある」と分析。国語については「応用力のB問題が小中学生とも全国平均を下回った。複数の内容から情報を整理し、必要な部分を取り上げる力に課題がある」、理科については「観察や実験を通した授業が効果を挙げている。今後も継続したい」とした。