2018年(平成30年) 11月27日(火)付紙面より
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浜の魚を知れば、「食」が豊かになる―。鶴岡市由良地区で魚食文化の発信に力を入れている「ゆらまちっく海鮮レディース」(和田光子代表)が、由良で漁獲される海産物の種類や調理方法、漁村文化を紹介した冊子「魚図鑑と浜料理 浜のごっつぉ」を発行した。「旬の魚は何でもおいしい。おいしい魚をおいしいままに食べてもらいたい」。浜のかあちゃんたち直伝のうまい魚料理がふんだんに盛り込まれている。
漁村文化を伝承する由良地区を広くPRしようと、5年前から発行の準備を進めた。取り上げる海産物と料理は旬のものに限定したため、年によっては水揚げが少ない種類もあり、手間と時間がかかった。「旬を知り尽くした浜の女性たちが発信するものだから、下手なものは作られない。とにかく旬にこだわり抜いた」と和田代表。
マダイやアナゴ、マガレイ(口細)、サクラマス、マダコ、ハタハタ、マダラ(寒鱈(かんだら))など由良の定番の魚をはじめ、岩ノリ、岩ガキ、アオサ、アカモク(ギバサ、ギバソ)、クロザコエビ(ガサエビ)、ズワイガニなど貝や海藻を含め約80種を紹介。お薦めの食べ方や調理のこつのほか、魚の生態や漁法、由良地区での独特の呼び名も記し、外国人向けに英語の紹介文も添えた。
▽豪快に捌(さば)き、豪快に作り、豪快に食す▽海を知り、魚を知り、自然に感謝―など由良の「浜のごっつぉ五箇条」も紹介。浜の食卓、由良の祭りと行事食、リヤカーに魚を積んで家々を回って売り歩き魚食文化を支えた「アバ」と呼ばれる女性たち、漁村の一日、由良の景観など由良の漁村文化も掲載した。
和田代表は「鮮度が良い魚は手を掛けなくてもおいしい。由良の魚の呼び方には、旬の時期を表したものもあり、そうしたことも魚をおいしく食べる参考にしてもらえれば」と話している。
冊子は全編カラー、B5判72ペイジ。水産庁の女性活躍のための実践活動支援事業の補助を活用し、300部発行。市内の小学校や水産関係者に配布を予定している。1冊2000円で販売もする。問い合わせは、和田代表=電0235(73)2218=へ。