2018年(平成30年) 9月26日(水)付紙面より
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増加する危険空き家の解消に向け、鶴岡市が住民自治組織を対象に昨年度創設した上限75万円の「危険空き家解体補助金制度」。本年度は4件分の補助を想定し予算措置しているが、地域の自治組織から申請に至ったケースはまだない。市によると、補助金活用の相談は2件あるものの、所有者不明などで解体の同意が得られないといった課題があり、自治組織側も苦慮している。
地域団体を支援する補助は、市が独自に制度化した。朽ちて屋根や外壁のトタン板が飛散するなど、周辺や住民の生活に影響を及ぼす空き家が目立ち、地域側から「重機を使用できる住民がいる。自分たちの手で解体して地域の不安解消を図りたい」といった要望が寄せられていたこともあり、市が制度設計を進め昨年8月に補助金交付要綱を定めた。
補助対象は市街化区域(用途地域)以外の郊外地にある使用されていない建築物で、市の基準に基づく判定で危険と判断した建物。所有者が同意した場合に、解体を行う住民自治組織などの地域団体に上限75万円の補助金を交付する。補助金は重機の借り上げ料や廃材運搬処分費などに活用してもらう。
地域団体を対象にした空き家解体補助制度は全国的にも珍しく、初年度は松根、藤沢、谷定、井岡の4地区で、それぞれ住民が共同作業を行い計4軒の危険空き家を解体した。
このうち谷定地区のケースは、30年ほど前に建てられた木造2階建て作業小屋のトタン板が剥がれ、通学の児童たちに接触しそうになったこともあり、保護者らから安全確保のため早期解体の声が上がっていた。
当初は所有者が不明だったが、市の協力で県外に在住していることが分かり、補助金申請の手続きを進めることができた。谷定住民会は「補助制度のおかげで危険空き家を解消できた」と話していた。
補助制度の申請窓口となっている市環境課は「どうしても所有者が解体できない場合の手段の一つとして制度を創設したが、長期間にわたる危険空き家は所有者不明、複数による所有など解体の合意を得ることが困難な場合も多い。まずは相談してほしい」としている。
2018年(平成30年) 9月26日(水)付紙面より
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本県で開催された本年度の酒類品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)SAKE部門」の純米吟醸部門で最高賞(トロフィー)に輝いた麓井酒造(酒田市麓、佐藤淳司社長)の「フモトヰ純米吟醸山田錦」などを楽しむ集いが24日昼、酒田市草津の湯の台温泉・鳥海山荘(佐藤武支配人)で行われ、38人の参加者が同社の日本酒と、それに合う料理を堪能した。
本年度のIWC SAKE部門には国内外の456蔵元が計1639銘柄を出品。今年5月13日から山形市で審査会が行われ、9つのカテゴリーごとに各賞を決めた。麓井酒造の「フモトヰ純米吟醸山田錦」は純米醸造部門で、その部門の中で最も優れた1品に贈られるトロフィーを獲得した。
今回の集いは、「八幡の酒」の受賞を記念し今後の地域振興につなげようと、鳥海山荘が麓井酒造と共に企画。鳥海山荘を運営する鳥海やわた観光の和田邦雄社長が「トロフィー受賞は、鳥海山とともに八幡地域の誇りであり、自慢。じっくりと味わってほしい」とあいさつ。麓井酒造の佐藤市郎専務が山形、ロンドンで行われたIWCの式典の様子、醸造過程を紹介した後、八幡地域観光物産事業実行委員会の後藤孝之助会長が音頭をとってトロフィー酒で乾杯した。
トロフィー酒とともに用意した日本酒は、いずれも同社が醸造した大吟醸「圓(まどか)」、吟醸「秋あがり」、純米吟醸「雄町」の計4種。鳥海山荘の早坂初雄総料理長が腕を振るった▽キノコとトリ肉のバターソテー▽焼き栗、イカのてんぷら、エビなどの吹き寄せ▽野菜のにぎりずし―などに合わせ、それぞれ飲み比べた。甘味は同社の酒粕を使ったババロア。参加者は思う存分、同社の日本酒を堪能していた。
来年の「新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン(DC)」を前に、DC推進協議会が主催し来月1日(月)にスタートする「新潟・庄内ひとり旅キャンペーン」=今年12月31日(月)まで=に合わせて鳥海山荘は、夕食時にトロフィー酒を含む地酒3種をセットで提供する「地元酒蔵『フモトヰ』の地酒を楽しむ男旅」を展開。問い合わせは鳥海山荘=電0234(61)1727=へ。