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荘内日報ニュース


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2018年(平成30年) 9月27日(木)付紙面より

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フェルメール 光の王国魅了

 オランダの画家、ヨハネス・フェルメール(1632―75年)の絵画を最新のデジタル画像技術で再現した「リ・クリエイト(再創造)作品」を集めた特別展「フェルメール光の王国展in SAKATA」が、酒田市美術館(石川好館長)で開かれている。現存する全37点を制作当時により近い色彩で楽しめるとあって連日、大勢の市民らでにぎわっている。

 オランダ絵画の黄金期とされる17世紀を代表する画家、フェルメール。光あふれる美しい作品は世界中の美術ファンの目を楽しませ、ここ数年は日本でも毎年のようにフェルメール作品を中核とした絵画展が開催され、大きな話題となった。

 今回の特別展では、生物学者・福岡伸一さんの監修でフェルメールが求めた光と色彩をデジタル画像技術で再現した37点を原寸大で紹介。代表作「真珠の耳飾りの少女」(オランダ・マウリッツハイス美術館蔵)、2点しかない風景画のうちの一つで生まれ育った「デルフト」の街並みを描いた「小路」(同国・アムステルダム国立美術館蔵)といった作品が来館者の目を楽しませている。

 フェルメールの画業を知るための各種資料も同時展示。市美術館学芸員の熱海熱さんは「週末には400人超が入館するなど、フェルメールの人気の高さが分かる。フェルメール作品を知るきっかけになれば」と話した。

 会期は10月14日(日)までで無休。関連イベントとして29(土)、30(日)の両日、午前10時半からと午後2時からの計4回、女子美術大卒業生が作品解説するほか、10月8日(月・祝)午後4時からは「フェルメールのミステリアス・ジャズナイト」と題したミュージアムコンサートも行われる。問い合わせは酒田市美術館=電0234(31)0095=へ。

大勢の市民らでにぎわいを見せる「フェルメール光の王国展」
大勢の市民らでにぎわいを見せる「フェルメール光の王国展」


2018年(平成30年) 9月27日(木)付紙面より

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ロケットストーブ10基寄贈

 環境設備工事・保守の「メカニック」(本社・酒田市、佐藤優社長)は、業務で出るオイル缶をリサイクルして製作した「ロケットストーブ」10基を酒田市に寄贈した。今年3月に続き2回目で、災害時の炊き出し用に市内のコミュニティセンターに配布される。

 ロケットストーブは、J(L)字型の燃焼管を基本構造とし、管内でまきなどを燃やすと上昇気流が発生し横向きの管から自動的に吸気されるため、少ない燃料で効率良く煮炊きできる。東日本大震災後、「エコストーブ」として注目され、全国で災害時用などとして広まりつつある。

 メカニックでは、モーターオイルの缶(直径30センチ、高さ36センチ、容量20リットル)をリサイクルして製品化。今年3月には10基を市に寄贈し、松原、港南各コミュニティ防災センターなど市内のコミセン10カ所に配布された。2020年度まで年10基程度ずつ、全36コミセンに行き渡るよう寄贈を続ける方針だ。

 この日は佐藤社長が大場幸治総務部長と共に市役所を訪れ、矢口明子副市長に本年度分10基の目録を贈った。佐藤社長は「先の北海道胆振東部地震では、何件かの問い合わせがあった。災害はいつ起きるか分からないので、有効に活用してほしい」と話した。矢口副市長は「今の時代、必要なもので、感謝」、桐澤聡市民部長は「最近は災害時の暑さ対策が注目されているが、酒田では冬場の寒さ対策も重要。これで温かい食べ物を作れるのは良い」などと話した。

 市では今後、配布先を決める。有事にスムーズに使えるよう、普段から芋煮会など地域イベントで使うことを推奨していくという。メカニックは今月30日、亀ケ崎小学校で行われる市総合防災訓練でロケットストーブの燃焼デモンストレーションを行う予定。

メカニックのロケットストーブ=今年3月寄贈時の燃焼実演より
メカニックのロケットストーブ=今年3月寄贈時の燃焼実演より


2018年(平成30年) 9月27日(木)付紙面より

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続 教育の杜14

今、求められているのは「公益」の実現 ●●●  鈴木 孝純

 東北公益文科大学紹介パンフレットの理事長挨拶で、新田嘉一(にった・かいち)氏は「公益」を、簡明直截(ちょくせつ)かつ的確に述べています。

  “公益とは「自立して生きること」です。自立した人間つまり社会に役立つ人間とは、「税金を納める人間」であって、「税金を使う側の人間」ではありません。自立した人間とは、地域で業を起こし、地域へ税金を納める人間になることです。(以下割愛)”

 税というと一般的にはネガティブなイメージが付きまといますし、広辞苑には「国費・公費支弁のため、国家・地方公共団体の権力によって、国民から強制的に徴収する金銭など」とあります。一方、英英辞典「アメリカン・ヘリテージ」には、「tax」を「contribution(貢献)」という語を用いての説明もあります。ここで、新田氏の言を突き詰めると、税金とは皆で皆の社会を支えるための会費であり、自立した個人としてそれをきちんと自弁できる人間の育成、つまり法の定める義務を履行できる人材の育成が、結局は人間社会全体の幸せに繋がる貢献になるという達眼に行き着くと思います。

 日本民族の善き精神を護持するためなら、他からの批判は意に介しないという新田氏らしいエピソードがあります。庄内農業高校在学時、山本四郎氏が同級生でした。山本氏は高校卒業と同時に警視庁に入り、警視庁柔道師範、関東管区警察学校主任教授などを経て、現在は講道館九段で(財)講道館指導部管理室参与の要職にあり、毎年、ドイツをはじめフランス・イタリアなど世界各国に直接出向いて柔道の普及と指導に当たっております。

 その氏の高校入学当初はアメリカの占領政策下で、武道である柔道は禁止されていました。高校2年時に解禁されはしましたが、肝腎の柔道の畳がありません。その時、運動部の委員長をしていた新田氏は、運動部の予算の多くを畳の購入費に充てました。これには、新田氏が所属している野球部からも猛烈な批判があがり、翌年の選挙で委員長の職を外されたとのことです。しかし、もし、この新田氏の深慮断行がなかったら、山本氏は入学時からの希望であった地元就職をし、日本柔道界の重鎮としての活躍はなかったと思われます。

 新田氏は、戦後日本に移入された民主主義はともすると利己主義に傾き、本来日本人の持っていた公益に係わる美徳が失われたのではないかとの疑念をもっていたようです。このような中で、日本が世界で発展していくためには、日本人の紛れもない美徳である思いやりの精神のもと、他に尽くすという「公の心」を育成し、個々人が日本国民の1人であるとの自覚を持ちながら自立して豊かに生きることが「公益」の実現となり、社会全体の発展に繋がると強く主張しているのです。

(三川町教育長、東北公益文科大学理事長補佐)

現在も日本を牽引する両氏は、70年に亘る今も「四郎」「新田」と呼び合う刎頚(ふんけい)の交わりの仲である(写真右が新田氏、左が山本氏)
現在も日本を牽引する両氏は、70年に亘る今も「四郎」「新田」と呼び合う刎頚(ふんけい)の交わりの仲である(写真右が新田氏、左が山本氏)



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