2019年(平成31年) 2月24日(日)付紙面より
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酒田市出身で本年度の「高校横綱」の齋藤大輔さん(18)=埼玉栄高3年、190センチ、135キロ=の大相撲八角部屋入門が決まった。21日の入門発表から翌日の22日、齋藤さんは酒田市役所を表敬訪問して丸山至市長に大相撲への挑戦を報告、「酒田をPRできるように強くなる」と力強く語った。
齋藤さんは宮野浦小、酒田一中出身。小学校3年から酒田相撲教室に通い、中学3年で全国都道府県中学生相撲選手権大会優勝。相撲強豪校として知られる埼玉栄高(埼玉県さいたま市)に進学し、3年生の本年度は世界ジュニア相撲選手権大会、高校総体、福井国体少年男子でいずれも個人優勝を果たすなど高校相撲界の頂点を極めた。昨年12月にはアマチュア日本一を決める天皇杯全日本相撲選手権大会に唯一の高校生として出場している。得意な形は突き押しからの左四つ。
この日の地元凱旋(がいせん)では母校の酒田一中と酒田相撲教室の訪問を経て市役所へ。八角親方代理として大相撲解説者の元横綱・北の富士勝昭さん、母親の百合さん=酒田市若宮一丁目、会社員=が同席した。
表敬訪問で齋藤さんは「地元を背負って頑張るという思いでこれまでやってきた。いち早く関取になれるよう頑張る」と故郷に錦を飾る決意を語って入門を報告した。
丸山市長は「酒田市民の期待を一身に背負って、修業を頑張ってもらいたい」と激励。酒田市のPRワッペンを手渡し、描かれたモチーフになぞらえて「市鳥のイヌワシのように相撲界のトップに立ち、市花のトビシマカンゾウのような華麗な技を磨き、ケヤキのように風雪にも耐えて」と期待を込めた。お祝いの品として酒田産雪若丸の米俵も贈った。
同席した北の富士さんは、「酒田で妹がちゃんこ屋をやっている関係で中学に入る前に初めて会ったが、当時から前途洋々。『酒田市出身、八角部屋』として放送される日をそう長くは待たせない。大型力士として左四つ相撲を完成させ、立派な力士に育てたい」と述べた。席上、齋藤さんのしこ名についても盛り上がっていた。
齋藤さんは3月10日に初日を迎える春場所の新弟子検査を受け、合格すれば前相撲でデビューとなる。
おごらず一生懸命
指導の白畑さん
小中時代に指導した酒田相撲教室の白畑悌輔さん(81)=酒田市緑町=の話
中学時代から手足が長く、有利だったとは思うが、教室の上の強い子たちとの稽古を通して学び、おごらずに一生懸命やっていたのを思い出す。自分で考えた練習に取り組むといった態度にはプロ入りへの強い気持ちを持っていると感じることはあった。長年指導した中でも、インターハイ、国体の2つを制した子はおらず、体格にも恵まれた逸材といっていい。昨年、練習に来た時に「インターハイ、国体を制覇してようやく会いに来ることができた」と話してくれたのも忘れられない。「せめて大関」と大いに期待したい。