2019年(平成31年) 3月5日(火)付紙面より
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しな織の里・鶴岡市関川の住民や産学官で未利用資源の活用として開発に取り組んできたしなの花化粧品など、シナノキの活用を考える「関川しなの木と花・郷フォーラム」が3日、同市末広町のマリカ1階つるおか食文化市場FOODEVER(フーデェヴァー)で開かれた。
関川では、自治会や住民、市などと連携した「しなの花活用プロジェクト研究会」(会長・五十嵐茂久自治会長)を2016年に組織。3カ年の国の農山漁村振興交付金事業の助成金などを活用してシナノキの花の成分分析や機能性の調査を研究機関へ委託。認められた抗酸化作用などから「化粧品としての可能性が期待できる材料」として化粧品開発に乗り出した。製造委託費の出資を募ったクラウドファンディングでは目標を約25%上回る金額を集めて成立。乾燥させたシナノキの花から蒸留して得た抽出成分をもとに作成した化粧水とせっけんがこのたび完成した。
商品は4日から市内などで一般販売スタート。関川に関わる若者ら4人でつくる企業組合法人「羽越のデザイン企業組合」(冨樫繁朋代表理事)が販売を担う。
しなの花活用プロジェクト研究会と羽越のデザイン企業組合が共催したこの日のフォーラムは約20人が参加。事業に関わった行政や研究機関の担当者が事業経過をはじめ、シナノキの花の資源量や成分のメタボローム解析、官能評価の結果などを紹介。最後に商品のお披露目として関川出身で羽越のデザイン副理事、五十嵐丈さん(25)が「ローカル、オーガニック、エシカルにこだわって作った化粧品。今後もしなの花や木の活用を探りながら取り組んでいく。応援を」とPRした。
続いてその場で商品の一般販売も行われた。東北公益文科大4年の高橋楓稀さん(23)は「プロジェクトの話を聞いて、取り組みを応援したいと購入。化粧水も試用したところさっぱりしていていいと思う」と話していた。
商品は、4日から販売開始。せっけん(80グラム)は税別1500円、化粧水(100ミリリットル)は税別3000円。温海地域の温泉旅館や店舗、ホームページURL=https://umupj.shop-pro.jp/=でも販売している。