2019年(平成31年) 3月7日(木)付紙面より
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県と県旅館ホテル生活衛生同業組合(佐藤信幸理事長)は5日、災害時における宿泊施設の提供等に関する協定を締結した。今回の協定を受け、大規模災害時に避難所での集団生活が困難な高齢者や妊産婦、幼児、障害者など要配慮者を対象に、県内の旅館やホテルで一時的な避難生活の場所や食事の提供など避難支援が行われる。
今回の協定は、2011年の東日本大震災の教訓として、大規模災害時に旅館やホテル側が、避難者の支援や連絡がスムーズにいくよう同組合側から県に申し入れた。災害時、市町村の要請に対して県が要配慮者の受け入れを同組合に要請する。同組合は組合員で受け入れ可能な旅館やホテルと調整し、受け入れ施設を県に伝える方式。支援を受ける対象には要配慮者の家族や介護者なども含まれる。
締結式には佐藤理事長や同組合理事、吉村美栄子知事などが出席し、佐藤理事長と吉村知事が協定書に署名した。続いて吉村知事が「東日本大震災の当時は県旅館ホテル生活衛生同業組合の皆さんから多大な配慮を頂き、延べ11万9000人の避難者を受け入れてもらった。今回の協定で要配慮者が旅館やホテルで避難生活を送れることは、不安や負担を大幅に軽減できるものと期待している」、佐藤理事長が「東日本大震災の当時、避難先の体育館や公民館はすぐに満杯となり、プライベートもなくお風呂もたまにしか入れない状況だった。中でも要配慮者の対応が一番の課題だった。今回の協定で一人でも命をつなぐおもてなしができれば」とそれぞれあいさつし、固い握手を交わして協定の締結を喜び合った。