2019年(令和1年) 7月11日(木)付紙面より
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国土交通省酒田河川国道事務所(赤城尚宏所長)の重要水防箇所合同巡視が10日、酒田市と三川町の赤川沿いで行われ、各市町や水防団、自治会関係者らが漏水や越水などの危険性がある堤防周辺を巡り、有事の対応の課題などを確認した。
国直轄区間の約30カ所を対象に、出水期前の6月上旬から中旬にかけて実施している。この日の対象は酒田市、三川町各3か所の計6カ所。先月18日の庄内沖地震の影響で延期されていた。
このうち酒田市広野の庄内おばこ大橋下流の赤川右岸の巡視には、同事務所や酒田市、沿川自治会、市水防団、酒田警察署、酒田地区広域行政組合消防本部の関係者、合わせて約20人が参加。同事務所の佐藤俊明副所長から「昨年8月には最上川などの水位が上昇し酒田市が避難勧告を出した。いつ、どんな雨が降るか分からない。有事は水防団の積み土のうなど初動が重要になる。今日見聞きしたことを地域で共有し、もしものときは避難など速やかに行動を」と述べた。
その後、職員が地図を示しながら、周辺の堤防で漏水や洗掘などの危険性がある水防重要箇所をはじめ、危険度に応じた基準水位、スマートフォンなどを通じて川の防災情報を入手する方法などを解説した。
参加者からは「テレビでは洪水時、クレーンでトンパックの土のうを積む様子をよく見る。水防団が訓練でやるように、手作業で土のうを積むことはあるのか」「ダムの放水をする時、サイレンが聞こえないことある」などの話が出た。これらに対し、佐藤副所長は「第一段階は水防団の土のう積みから。『有事は自分たちがやる』という意識で備えを」、酒田市危機管理課職員は「風雨でサイレンなどが聞こえない場合がある。市ではコミュニティFMを通じて災害情報を流す防災ラジオの活用を勧めている」などと応えていた。